本間宗究(本間裕)のコラム

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2019.2.13

池江選手の白血病

「18歳の池江選手が白血病に冒された」というニュースには、たいへん驚かされたが、最新の医療技術を駆使することにより、一刻も早い復活を望んでいる。また、今回、この出来事から思い出されたことは、「18年前の2001年」に発生した「えひめ丸事件」だった。具体的には、「2001年の2月」に「パールハーバーで、米軍の潜水艦が突如として浮上し、日本の訓練船であるえひめ丸に衝突し、沈没させた事件」のことである。

つまり、当時、感じたことは、この事件が、「その年の暦である『辛巳(かのと み)』を象徴するような事件である」ということと、その後、「8月から9月頃に、大きな事件が発生する可能性」だった。つまり、「地中に潜っていたものが地表に現れ、血を見るような事件が発生する」ということが「暦」の意味することであり、実際には、「えひめ丸事件」が前兆で、その後の「9・11事件」が本当の事件だったものと考えている。

このように、「2001年」は、記憶に残る年だったが、その後の展開については、「デリバティブの大膨張」と「量的緩和」により、私の想定以上に時間がかかったことも事実だった。具体的には、「コンピューターマネー」と「中央銀行のバランスシート」の「大膨張」により、「約18年間」、あるいは、「それ以上の長期間にわたり、問題が先送りされるとともに、世界経済が好景気を享受できた」という状況だったからである。

つまり、「池江選手」のように、「強靭な体力」と「世界水準の好成績」が実現されたわけだが、今回の「白血病」については、「血液に問題が発生し、身体全体が機能不全に陥る状態」を表している。そして、このことは、「今年後半の世界経済を象徴する出来事ではないか?」とも感じさせられたが、実際には、「過去18年間」に、大きな影響力を及ぼした「コンピューターマネー」が、すでに、枯渇し始めている可能性のことである。

換言すると、「経済の血液、あるいは、潤滑油」と言われる「マネー」に関して、「きわめて重大な事件が発生し、世界全体が危機的な状況に陥る可能性」を憂慮しているが、今までの推移から予想されることは、やはり、「紙幣の増刷による、世界的な大インフレの発生」とも言えるようである。つまり、「紙幣は、コンピューターネットワークを流れることができない」という「当然の事実」を、世界中の人々が痛感せざるを得なくなる状況が想定されるのである。そして、この点に関して、「過去18年間」を振り返ると、実に感慨深いものが存在するが、現在は、歴史的にも、きわめて異常な「マネーの大膨張」が終焉し、ようやく「新たな時代」がスタートする時を迎えたものと感じている。