本間宗究(本間裕)のコラム
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2019.4.26
心の仮説
今回、「ブラックホール」が発見されたが、このことは、ご存知のとおりに、「100年ほど前に、アインシュタインが理論的に解明したもの」と言われている。つまり、理論的な「仮説」は出来上がっていたものの、「実証」や「検証」に、100年もの時間が必要だったわけだが、このように、「仮説」を立てて、その後、「検証」に励む態度については、「自然科学」では、すでに常識となっているものと考えられるようである。
しかし、一方で、「社会科学」については、「価格は、需要と供給とで決まる」という理論は存在しながらも、「需要は、どのようにして決定されるのか?」については、「誰も答えることができない状況」となっている。つまり、「心の謎」が解けていないために、「人々が、どのような行動を取るのか?」が、ほとんど解明されておらず、いまだに、「戦争」や「殺人事件」などが頻発する状況となっているのである。
そのために、今回は、私自身の「心の仮説」を発表させていただくが、実際には、三段階に分かれるものと考えている。
1:人間の誕生時に、魂が肉体に入り、その結果として、心が発生する。
2:心は、時空を超えて活動が可能であり、対象物に向かった時に「感情」が発生し、また、魂に向 かった時に「理性」が蘇る。
3:心が肉体を動かすことにより「行動」が発生する。そして、他者との関係で「感情」が生まれ、「組織」や「社会」、あるいは、「時代」の性質が決定される。
かつて、「ニュートン」が、「重力の法則」、すなわち、「物と物との関係性」を解明したことにより「自然科学」が発展したが、これから必要とされることは、「心とは、いったい、何なのか?」という「心の謎」だけではなく、「心と心の関係性」である「心の法則」を解明することだと考えている。別の言葉では、「自然科学」の急速な発展により、「原爆」や「原子力エネルギー」までもが発明されたものの、現在、必要とされているものは、その技術を使いこなす「人々の精神性」とも思われるのである。
そして、このことを象徴する現象が、現在の「マネーの大膨張」であり、実際には、「自然科学」を代表する「実体経済」に対して「約10倍」の規模となり「地球環境を破壊するほどの大量消費文明」を生み出したが、現在では、すでに、「金融のメルトダウン」が進行し、間もなく、大インフレの発生が危惧される状況となっているのである。