本間宗究(本間裕)のコラム

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2019.6.3

明治維新後の日本人

哲学者の「梅原猛氏」によると、「明治維新後の日本人」は、「廃仏毀釈」などにより「仏教」を切り捨てるとともに、「国家神道」などの簡素な思想のもとに、「西洋の列強に追いつくこと」が主要な目的になったと言われている。つまり、西洋の進んだ科学技術文明に追いつくために、「富国強兵」というスローガンを掲げ、「国家を挙げて、西洋化への道筋を一心不乱に歩んだ状況」のことである。

そして、結果としては、「日清、日露の戦争」や「第一次世界大戦」までは、順調な道筋を歩んでいたようだが、問題は、「第二次世界大戦」の前後に、「軍部の暴走」が起きたことにあった。具体的には、「敗戦」を経験するとともに、「日本の国土が焼け野原の状態に陥った状況」のことだが、このことは、「強兵」の部分が、完全に失敗に終わったことを意味しているものと考えている。

また、その後は、ご存知のとおりに、「富国」という、「経済面での発展」に国民の力が注がれ、結果としては、「奇跡的な高度経済成長」を経験し、「世界第二位の経済力」を実現することができたが、問題は、その後の展開にあった。具体的には、「バブルの発生と崩壊」、そして、「失われた30年」と呼ばれるほどの「経済の低迷」により、現在では、「日本の競争力」が世界的に低下した状態となってしまったのである。

つまり、「富国」の面でも、再度、「敗戦」を迎えようとしているものと思われるが、このことを、「時間のサイクル」で考えると、奇妙な事実が浮かび上がってくるようにも感じている。具体的には、「明治維新から77年後の1945年」に「軍事的な敗戦」を経験し、数多くの犠牲者が出た状況でもあったが、その後の展開としては、「現在が、戦後から74年目に相当する」という事実も見て取れるのである。

そして、この間の推移については、「お金儲け」に邁進した人々が、「忙しさ」により、文字どおりに「心を亡くした状況」であり、この原因としては、「西洋的な価値観」を追い求めすぎた結果として、「東洋的な価値観」を失った点も指摘できるようである。また、現在、発生している「さまざまな殺人事件」についても、「心の謎」や「心の闇」を解明することが、現在、最も重要なポイントだと思われるが、基本的には、「1945年から77年後の2022年前後」に想定される「日本の金融敗戦」が、「1945年の敗戦」と同様に、人々の認識を大転換させることに関して、大きな役割を果たす可能性が高いものと考えている。