本間宗究(本間裕)のコラム

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2019.7.22

爆燃現象と煙突効果

「京都アニメの放火事件」には大変驚かされたが、その理由としては、「一人の人間」の間違った行為が、これほどまでの惨劇に繋がった状況が指摘できるようだが、私自身としては、「トランプ大統領」のような「権力を持った人物」が、「かりに誤った行為を実施した場合に、どれほどの影響が存在するのか?」を危惧している状況でもある。

特に、今回の「イランとの確執」については、きわめて大きな悪影響を世界にもたらす可能性があり、この点に関して、今回の放火事件で使われた「爆燃現象」と「煙突効果」という言葉が気に掛かった次第である。つまり、同様の状況が、世界の金融システムで発生する可能性を危惧しているが、実際には、「中東情勢の混乱が、世界の原油価格の上昇に繋がり、その後、マネー経済の破裂が大インフレを引き起こす構図」のことである。

具体的には、現在の「世界的な金融システム」が、「三段階の信用創造」という構図になっており、この時の問題点としては、「ほとんどの通貨が、コンピューターマネーやデジタルマネーなどの『単なる数字』に変化した状況」が指摘できるのである。より詳しく申し上げると、今までは、「信用本位制」と「コンピューターのネットワーク」が存在したことにより、「大量の資金がマネー経済の内部で取引され、実物資産や実体経済に対して、資金が流れにくい状況」のことである。

別の言葉では、「デリバティブの存在」が「ゼロ金利」や「マイナス金利」の発生を可能にした状況でもあったが、現在では、すべての手段が使い果たされ、間もなく、本格的な「マネー経済の破裂」が発生しかかっている状況とも言えるのである。そして、今回は、「本当の事件」が発生する「約2か月前」に、「京都アニメの放火事件」と「米国とイランとの紛争」が組み合わされた形で発生したようにも感じているが、このような「2か月前の兆候」については、「2007年のサブプライム問題」などを始めとして、私自身が、今までに何度も経験したことである。

そのために、今回も、「9月前後に、どのような事件が発生するのか?」に、大きな注意を払っているが、「2019年」については、「金融界の白血病」や「金融界の玉手箱」、そして、「金融界のホーキング放射」のように、「2月から、その他の前兆が始まっている状況」となっているのである。つまり、末尾に「9」の付く年は、基本的に、バブルの発生と崩壊が起きやすいものと考えているが、今年については、基本的に、「政府への過剰な信用が、国債のバブルを発生させた状況」のようにも感じている。