本間宗究(本間裕)のコラム
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2019.8.2
2019年のバブル
西暦末尾に「9」の付く年には、「バブル」が発生しやすくなるものと考えている。具体的には、「1979年の金(ゴールド)バブル」、「1989年の日本株と土地のバブル」、そして、「1999年のITバブル」というように、「10年毎にバブルが発生し、また、末尾に9の付く年にバブルのピークを迎える」ということが、私自身が経験から学んだことだった。また、「富の移転」に関しても、「10年毎に、『一次産品』から『株式や土地』、そして、『債券』という順番で、富の移転が発生する状況」を想定していたが、問題は、「1999年」と「2009年」にあったものと感じている。
つまり、「1999年」は、本来、「債券バブル」の順番となり、「2000年に弾けている状況」を想定していたが、実際には、「ITバブルの発生と崩壊は起きたものの、債券バブルは、その後も継続した」という展開となったのである。そして、この理由として挙げられることは、ひとえに、「デリバティブの大膨張」だが、実際には、「2000年当時の想定元本が約8000兆円」という状況が、その後、「2008年前後に約8京円」という規模にまで膨らんだのである。
換言すると、「信用創造」という「マネーの大膨張」には「三つの段階」が存在し、実際には、「中央銀行」、「民間銀行」、そして、「市場」による「信用創造」が指摘できるのである。そして、「1971年のニクソンショック」から始まった「信用本位制」の時代には、最後の段階で、「金融界の破壊兵器」と呼ばれる「デリバティブ」が、「金融界のブラックホール」とでも呼ぶべき「人類史上最大規模のバブル」を発生させたのである。
つまり、「金利」は「お金(マネー)の値段」であり、「膨大なマネー」が産み出された結果として、現在の「超低金利状態」が発生したのである。しかし、この時の問題は、「既存の経済学で、現状説明が不能だった」という点が指摘できるが、実際には、「日米欧の中央銀行」が、「デリバティブのバブル崩壊」によって生み出された「不良債権」を、「自らのバランスシート拡大により補った」という展開となったことも理解できるのである。
別の言葉では、「国債」を大量に買い付けることにより、人為的な「超低金利のバブル状態」を作り出したのだが、このことにより、「2000年」に「債券バブル」が崩壊せず、また、「2009年」に「金バブル」が発生しなかったものと考えられるのである。しかし、現在では、反対に、「約20年の空白期」を経て、「2019年」に、「金融界の玉手箱」とも言える「国債(債券)バブルの崩壊」が実現されるものと感じている。