本間宗究(本間裕)のコラム

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2019.9.30

科学技術が発展した理由

20世紀最大の歴史学者と言われる「トインビー」によると、「当時、それほど大した文明ではない」と理解されていた「ヨーロッパ文明」が、「突如として、科学技術文明を生み出し、世界を支配した」という状況でもあったようである。具体的には、「ニュートンの重力発見」により、その後、「自然科学」、そして、「科学技術」が飛躍的な発展を遂げ、「世界が一つにまとまった」という理解のことである。

しかも、その後に、「資本主義の発展」、そして、「マネーの大膨張」という展開となったことも理解できるが、現在では、反対に、「環境問題」や「各国の軋轢」など、さまざまな矛盾や問題が発生していることも理解できるのである。そのために、現時点で必要とされることは、「時代を遡り、根本に立ち返って、問題の原因を追究する態度」だと考えているが、この点に関して、最も重要なポイントは、「科学技術文明が発展した原因として、神通力が指摘できるのではないか?」ということだと感じている。

つまり、「なぜ、リンゴは落ちるのか?」、あるいは、「なぜ、全ての物体は地球の中心に向かって動くのか?」を考えた時に閃いたのが「重力」だったが、このことは、典型的な、「仏教」が教える「神の知恵に行き着く方法」とも考えられるのである。具体的には、「般若心経」が教えるように、「般若」という「神の智慧」に行き着くことが「波羅蜜多」であり、この結果として、「世界全体が理解できるとともに、悩みや苦労が無い世界が実現される」と考えられているのである。

このように、「自然科学」においては、「強い頭脳」という「答えのない問題を、粘り強く考え続ける態度」が、数百年前から重要視されているのだが、問題は、「社会科学」という「経済学」や「哲学」などでは、「速い頭脳」という「すでに答えが存在する問題を、早く、かつ広範囲に答えることができる態度が重要視されている状況」となっている点が指摘できるものと考えている。

つまり、「神通力により飛躍的に発展した自然科学」に対して、「人知に頼り過ぎた結果、時代遅れとなった社会科学」との「大きな違い」が、現在、さまざまな問題を発生させているものと考えられるのである。そのために、今後の展開としては、「社会科学においても、神通力が発揮される可能性」に期待しているが、実際には、「お金の謎」や「心の謎」が解明され、「戦争などの目的」ではなく「平和利用」という、「地球環境と共生できる科学技術の使い方」が認識される状況のことである。