本間宗究(本間裕)のコラム

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2019.11.19

サステナビリティとティッピングポイント

現在、人類は、二種類の「サステナビリティ(持続可能性)」と「ティッピングポイント(臨界点)」に遭遇しているようだが、一つ目は、「国連」で「16才のグレタさん」が演説した「地球環境の問題」である。具体的には、「地球が6度目の大絶滅期に入っている可能性」のことだが、この点については、「1992年」と「2017年」に発行された「世界の科学者による人類への警告」が参考になるものと考えている。

つまり、このままの状況が続くと、「地球の温暖化」が進展し、「Hothouse Earth(温室地球)」にまで事態が悪化する状況が危惧されているわけだが、私自身としては、もう一つの「臨界点」とも言える「国家の財政問題」、あるいは、「金融システムの持続可能性」に注力してきた状況でもあった。そして、現時点での感想としては、「このことにも、大きな意味が隠されているのではないか?」ということであり、実際には、「最初の臨界点で、人類の覚醒が発生する可能性」のことである。

より具体的には、300年ほど前から、「西洋の唯物論」が「自然科学の発展」を促し、結果としては、「産業革命」や「資本主義」へと繋がったわけだが、現在では、「マネーの大膨張」により、「金融システム」のみならず「地球環境」までもが破壊されそうな状況となっているのである。つまり、「自然科学」が発展しながらも、この技術を使いこなすはずの「社会科学」、あるいは、「人間の精神性」の発展に遅れが生じているために、現在、「心の闇」などの「さまざまな問題」が発生しているものと想定されるのである。

そのために、これから予想される事態は、「現代の神様」となった「お金」が、実質的に「紙切れの状態」となった時に、「人類の覚醒」が発生する可能性だが、私自身は、「この覚醒が起こらない場合には、第二の臨界点である地球環境の破壊にまで事態が悪化する可能性」を危惧している次第である。つまり、これから想定される「金融大混乱」は、「天が与えた最後のチャンス」とも思われるが、この時に必要なことは、「AI(人工知能)などを駆使することにより、経済学や哲学などが発展する可能性」だと感じている。

より具体的には、「心の謎」が解ける可能性のことだが、この点については、「自然科学」の発展が、「重力」という「物と物との関係性」にあったことがヒントになるものと考えている。つまり、今後は、「心の謎」という「人と人との関係性」を決定する要因の一つが解けることにより、更なる「技術発展」のみならず、「人々が、時間や人生をどのように使うのか?」に関して、大きな変化が発生するものと感じている。