本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.2.2

新型肺炎が意味するもの

昨年末の「ゴーン容疑者の密出国」については、「人類の煩悩」を表す「除夜の鐘」が鳴り終わったことを表しているものと思われたが、その後に発生した「新型肺炎」については、すでに「移行期に伴う大混乱」が始まった状況のようにも感じている。つまり、現在は、文明法則史学が教えるとおりに、「西洋の唯物論」から「東洋の唯心論」への移行期であり、この時に、われわれに突き付けられている「最大の選択」は、「お金を選ぶのか、それとも、命を選ぶのか?」ということだと考えている。

そして、この点については、今から400年ほど前から始まった「時は金なり」という認識そのものに、根本的な原因が存在したようだが、実際のところ、「西洋の物質文明」の特徴としては、「自然環境は、人間が支配するべきである」という「認識」であり、また、「お金儲けのためなら、地球環境を破壊しても良い」というような「意識と行動」だったのである。つまり、「お金がなければ生活ができない」、そのために、「経済の成長が、環境問題よりも優先する」というような認識が、現代の「常識」となったわけだが、この点に、大きな一石を投じたのが、昨年の「グレタさん」でもあったようだ。

そして、今後は、いろいろな大事件の発生により、世界中の人々が、「お金が大事なのか、それとも命なのか?」という問題に悩まされるものと考えているが、この点に関して、大きなヒントとなったのが、今回の「新型肺炎」だったものと感じている。つまり、「世界中の人々」が、今回の新型肺炎に関心を抱いただけではなく、過剰なまでの防衛反応に走った状況のことだが、実際には、「日本において、あっという間に、マスクが店頭から消えた」というような展開となったのである。

別の言葉では、現在、「実体経済」に比べて「約10倍」というような規模にまで膨れ上がった「マネー経済」が存在するために、「人々の僅かな意識変化が、特定の商品に対して、過剰なまでの需要を発生させる可能性」も想定されるのである。しかも、この時に、「自分の命」を左右するほどの「大問題」に直面した時には、より大きな混乱につながる可能性も存在するわけだが、実際には、「金融面での大混乱」を考えている。

つまり、今後、注目すべき点は、「実体経済」が悪化した時に、「過剰なマネー経済が、どのような動きを見せるのか?」だと感じているが、実際には、今まで、「金融商品」の内部にとどまっていた「デジタル通貨」が、今後、いろいろな「実物商品」へ向かい始めることにより、「大インフレ」を発生させる可能性である。