本間宗究(本間裕)のコラム
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2020.2.11
ブラックスワンからグリーンスワンへ
最近、「BIS(国際決済銀行)」は、「グリーンスワン」という言葉を使い始めたが、このことは、「金融問題の質が変化した状況」を表しているものと考えている。つまり、以前は、「ブラックスワン」という言葉により、「マーケット(市場)において、事前にほとんど予想できず、起きた時の衝撃が大きい事象」が危惧されており、私自身としては、「2008年のリーマン・ショック」が、実は、典型的な「ブラックスワン」だったものと感じている。
別の言葉では、私が想定する「金融界のブラックホール」の内部で、「人々の恐怖心」が「ブラックスワン」を生み出したものと感じている。そして、その後の「量的緩和(QE)」については、「デリバティブの大膨張」によって創られた「大量のマネー」が、世界全体に広がる状況を表しており、この結果として発生した現象が、「過剰な債務」と「過大な景気刺激」だったものと考えている。
つまり、「世界的な超低金利状態」が生み出され、「人々が、こぞって、竜宮城のような生活を送った状況」のことだが、現在では、「マイナス金利の悪影響」が、さまざまな分野で発生しているものと思われるのである。具体的には、最初に、「地球環境の悪化」であり、この点が、今回、「グリーンスワン」という言葉で説明されているようだが、実際には、「超低金利状態の蓋」が継続不能になった結果、「金融界のブラックホールが、ホワイトホールに変化した状況」を表しているようにも感じられるのである。
つまり、「政府の思惑」としては、「金融システムの崩壊」を防ぐために、「ありとあらゆる手段を使い、現在の、超低金利状態を維持すること」でもあったが、現在では、さまざまな副作用を生み出していることも見て取れるのである。具体的には、「民間金融機関」、そして、「民間企業や個人」の「疲弊」のことだが、実際のところ、「マイナス金利」が意味することは「政府が、国民から資金を搾取すること」とも言えるのである。
別の言葉では、「国民の預金を借りて、国債を買い上げる方法」だけではなく、「マイナス金利の実施」により、「国民から、金利を受け取る方法」までもが実施されたのである。しかも、「金融界のブラックホール」の中では、「すべてが闇の中」というような状況でもあったが、今回の「グリーンスワン」については、英語の「グリーンライト(青信号)」が意味するように、「闇の中に隠れていた部分が、すべて表に出始めるサイン」のようにも感じている。