本間宗究(本間裕)のコラム
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2020.5.8
金融面での免疫暴走
今回の「コロナ・ショック」は、これから想定される「世界的な大インフレ」に関して、予行演習の役割を果たしたものと思われるが、「昨年末の時点」では、「無明(むみょう)」という言葉のとおりに、「100%問題が片付いていない状態」でもあった。具体的には、「目に見えない新型コロナウイルス」が蔓延していながらも、「病気が発症していなかったために、誰も気付いていなかった状況」のことである。
そして、「病気の発症」という時点で、コロナウイルス問題は、半分程度、片付いたものと考えているが、実際のところ、2500年ほど前から「お釈迦さま」や「アリストテレス」などが重要視してきた「問題の全貌把握」の観点からは、問題の存在に気づくことが最も重要であり、「無明」こそが、本当の問題点だと思われるのである。別の言葉では、今回の「コロナウイルス」のように、問題が存在することに気付いた時点で、「検査の拡充」や「都市の封鎖」などの「解決に繋がる方法」が実施可能な状況となるのである。
ただし、この点に関して、今回、気になった点は、「免疫暴走(サイトカインストーム)」という言葉だったが、このことは、「ウイルスを攻撃する免疫が、誤って、正常な細胞までも攻撃する状況」のことである。そして、現在では、この現象が、世界の金融界で発生している状況のようにも感じているが、実際には、「お金を出せば、国民の命が助かる」というような「善意に見える意見」が、日本中で広まっている状況のことである。
つまり、現在では、「目に見えないコンピューターマネー」が世界的に蔓延し、「マイナス金利」などの異常事態が発生していながらも、「インフレ(通貨価値の下落)」が発生していないために、「金融面における無明の状態」が発生しているものと想定されるのである。別の言葉では、実際の被害が認識されていないために、ほとんどの人が実情を理解していない状況のことだが、今後の注目点は、やはり、「金利の上昇」であり、また、「デリバティブや国債のバブル崩壊」だと考えている。
具体的には、「紙幣の増刷」により、「既存の通貨制度」が崩壊する可能性のことだが、この時の問題点は、「全体把握が、ほとんどできていない状況」であり、また、「被害が、今後、年金生活者や公務員などにまで及ぶ事態」だと考えている。つまり、これから想定される「世界的な大インフレ」については、「1600年前」に発生した「西ローマ帝国の崩壊」にまで遡らなければ全容が見えず、また、未曽有の規模となる可能性があるために、一刻も早く、人類の叡智を結集することが必要な状況のようにも感じられるのである。