本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.7.10

世界的な金融コントロール

今回の「コロナ・ショック」については、将来的に、「歴史的な大転換が始まるための、キッカケとなる事件だった」と語り継がれるものと考えている。つまり、「西洋の時代」の最終局面に「資本主義」が誕生し、また、その最終段階で、「デリバティブの大膨張」、あるいは、未曽有の規模で「マネー大膨張」が発生したわけだが、この時の注目点は、「約20年間にわたり、金利をはじめとして、さまざまな商品価格がコントロールされた」という事実でもあるようだ。

別の言葉では、「第二次世界大戦の末期」に実施された「価格統制」のような状況が、今回は、「世界的に、かつ、より巨大な規模で実施されたのではないか?」と考えているが、今後の問題点は、やはり、「コントロールが効かなくなったときに、どれほどの反動が発生するのか?」ということである。つまり、現在は、「22年目に入った日本の実質的なゼロ金利」を筆頭にして、「人類史上、最大規模の歪み」が、世界の金融界で発生しているものと思われるが、この原因としては、「今までの流れは継続する」という理解や認識が積もり重なった状況が指摘できるようである。

より具体的には、「お金(マネー)」に対する信頼感が、時間の経過とともに、より一層、強くなっていった展開のことだが、興味深い点は、最後の段階で、「デジタル化のバブル」とでも呼ぶべき事態が発生した事実である。つまり、世界中の人々が、目に見えない「単なる数字」を、まさに、「神様」のように信仰した状況のことだが、この点については、間もなく、「化けの皮が剥がされる展開」も考えられるようである。

別の言葉では、「若干の金利上昇」により「世界の金融システムが崩壊する可能性」のことだが、この時には、世界中の人々が、「デジタル通貨の正体」に気付かされるものと考えている。つまり、最近、海外で盛んに議論され始めたように、現在の「マネー(通貨)」は、「裸の王様」の物語のとおりに、「実質上、何も存在しない状態」となっていながらも、「単に、人々が存在すると信用しているに過ぎない状況」となっているのである。

そして、このような「異常な状態」を維持するために、「世界的な金融コントロール」が実施されてきたわけだが、このことが、私が想定する「金融界のブラックホール」、あるいは、「仮想現実の世界」だったわけだが、現在では、徐々に、コントロールが効かなくなり始めており、その結果として、たいへん近い将来に、本格的な「金融の大混乱」、すなわち、「未曽有の規模の大インフレ」が、世界を襲い始めるものと考えている。