本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.7.23

神風特別攻撃隊

現在は、日々刻々と、「金融敗戦」に近づいている段階のようにも感じているが、この点に関して参考になるのが、「1945年」に発生した「日本の敗戦」とも言えるようである。つまり、最後の段階では、ご存じのとおりに、「神風特別攻撃隊」までもが編成されたわけだが、この根底には、「自らの命を投げ出してでも、お国を救うべきだ」、あるいは、「蒙古襲来の時と同様に神風が必要であり、そのためには、特別攻撃隊が必要である」というような理解や意識が存在したものと考えられるのである。

より具体的には、「1944年の10月」から「1945年4月」まで実質的な特攻が行われたといわれているが、その後は、「沖縄」、そして、「本土」へと、連合軍の攻撃が広がっていったことも見て取れるのである。つまり、1945年4月の「戦艦大和の沈没」という衝撃的な事件をキッカケにして、その後は、「連合軍からの攻撃に耐えるだけの期間」が「約4か月間」も継続したのである。

別の言葉では、「命よりもお国の方が大切な時期」というのは、結果として、「半年」から「10か月」という期間で終了したものと考えているが、このことは、今回の「お金の方が、命よりも大切である」という理解にも当てはまるものと感じている。つまり、「コロナ・ショック」に驚き、「休業要請」を発出したものの、それに見合うだけの「保障」ができなくなった結果として、「コロナウイルスに罹患するリスクがあっても、経済を優先すべきである」というような態度に変化した状況のことである。

より具体的には、「経済面における神風特攻隊」とでも呼ぶべき状況が、現在、世界的に発生しているものと思われるが、約半年後の「今年の末頃」には、「世界全体で、紙幣の大増刷が実施されている状況」、すなわち、「お金の価値が激減している状況」も想定されるのである。つまり、これから予想される事態は、「デリバティブの完全崩壊」と「ハイパーインフレの発生」であり、その結果として、「神様と崇められていた現代のマネー(デジタル通貨)」が消滅し、その後、「命の大切さ」が再認識される状況も想定されるのである。

そして、この時の注目点は、「最後の数か月間に、過去の愚を繰り返さないこと」だと考えているが、実際には、現在が、「1944年の10月」に匹敵する可能性を考慮しながら、今後、「金融敗戦の時期」までに、「新たな価値観を構築し、次の時代に備える必要性」のことであり、この時に注目すべき点は、「インフル(コロナウイルス)」のみならず、「インフレ」の脅威だと考えている。