本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.10.2

驕る平家は久しからず

「歴史を学ぶこと」と「歴史を経験すること」では「雲泥の差」が存在するものと感じているが、具体的には、現在の「マイナス金利」のように、「歴史的な大変動」の渦中にいると、「ほとんどの人々が、現状や未来展望が見えなくなる状態」のことである。そして、この点については、「驕る平家は久しからず」という諺が典型例の一つとも感じているが、実際には、「平家物語」の「平清盛」のように、「地位や財力を得て、思い上がり、勝手な振る舞いをする人が、栄華を保つことができない状況」のことである。

そして、私自身が想定する「現代版の平家物語」としては、「習近平氏」と「菅首相」が指摘できるものと思われるが、基本的には、「香港の国家安全法」と「日本学術会議への任命拒否」が、将来的に、「虎の尾を踏んだ事件」と評価される可能性が高くなったものと考えられるのである。ただし、この点については、現在、確固たる評価が定まっていない状況であり、このことが、前述のとおりに、「歴史の渦中」に存在する我々にとっては、「将来の展望」が見えない状況を意味しているのである。

また、没落の要因としては、「権力者の錯覚」が指摘できるものと思われるが、実際には、「反対意見を述べる人」や「自分の行動に反対する人」を排除することにより、「自分の権力」が強まったように誤解する状況のことである。つまり、「官僚の人事権を握り、官僚を意のままに操った」、あるは、「政敵を粛正し、権力を握った」というような「成功体験」により、「踏み越えてはならない一線」を超えた可能性のことである。

別の言葉では、「自分が神様になったような錯覚」を抱くことでもあるが、「このような状態に陥った人々は、驚くほどのスピードで没落するケースが多い」ということが、「過去の歴史」が教えることとも言えるのである。そのために、現時点では、「中国共産党」のみならず、「日本の自民党」の運命が気になる状況でもあるが、この点については、やはり、「世界の金利」が、大きな影響力を持っているものと感じている。

つまり、「なぜ、権力者が力を持つのか?」を考えると、実際には、「地位、名誉、そして、お金」に対する「大衆の執着心」が、大きな意味を持っているものと思われるのである。具体的には、過去数十年間に発生した「マネーの大膨張」、そして、「超低金利状態」が影響力を増幅させた可能性だが、実際には、「お金や地位のためなら、どのようなことでも行う」という、いわゆる「悪魔に魂を売った人々」が、数多く存在する状況のことであり、この点に関する答えは、今後の数年間で得られるものと感じている。