本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.11.3

思考のメカニズム

「心の謎」を考える上で、決して、避けて通れない問題の一つが「思考のメカニズム」の解明だと思われるが、この点に関して、劇的な進化が発生したのが「17世紀のフランス」だったようにも感じている。具体的には、「我思う、故に我あり」と述べた「デカルト(1596年-1650年)」や「人間は考える葦である」と述べた「パスカル(1623年-1662年)」などの出現により、「数学」、そして、「自然科学」の急速な発展に繋がった状況のことである。

つまり、「思う」という行為については、「思」という漢字が意味するように、「脳」を意味する「田」と「心」との関係性を表しており、実際には、「脳で認識された現象が、心で魂に繋がれた時に、さまざまな思いが発生する状態」とも考えられるのである。別の言葉では、「ニュートン」の「万有引力の法則」などように、「なぜ、すべての物質が、地球の中心に向かって引き寄せられるのか?」を考え続けた時に「閃き」が得られ、数学的に解明されたわけだが、このことは、私が想定する「神通力」の一種とも思われるのである。

より具体的には、「魂」の奥深くに存在すると思われる「神の智慧」、あるいは、「仏教」が指摘する「阿頼耶識」に、「心」が到達したときに、新たなアイデアが得られる状況のことである。しかし、この時に発生した問題は、「自然科学」を代表する「実体経済」と「社会科学」を兼ねている「マネー経済」との間に、きわめて大きな乖離が発生したことでもあるが、実際には、「フローである実体経済」の成長が、その後、「ストックであるマネー経済」の大膨張につながり、その結果として、「過大な債務を基にした、持続不能な過剰消費」が「地球環境の悪化」を引き起こしたものと考えられるのである。

別の言葉では、現在、「地球温暖化が継続し、数十年後に、人類が地球に住めなくなるような事態」までもが危惧されているが、実際には、依然として、世界各国で軍事力の増強が実施され、土地や資金などの奪い合いが発生しているのである。つまり、「人類全体が、自殺的な行為を行っている状況」とも思われるが、この時の問題点は、「人間の行為」を研究する「社会科学」の分野において、「神通力」が働いていない状態である。

具体的には、「お金の謎」や「時間のサイクル」、そして、「心の謎」を解明することにより、「地球と共生可能な経済開発」などを考えることでもあるが、実際には、「インフレ指数の盲点」や「デジタル化の落とし穴」などにより、より一層、「地球環境の悪化」に拍車をかけている状況とも言えるのである。