本間宗究(本間裕)のコラム
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2020.11.11
排除の論理
1990年のバブル崩壊以降、日本では「排除の論理」が働いていたようにも感じているが、具体的には、「民間企業における内部闘争」に関して、「人事権を握った勝者が、敗者を排除した動き」のことである。また、このような動きを見た人々は、「誰が権力者なのか?」を見極めながら、「勝者に忖度する」という、いわゆる「イエスマン」への変化も発生したものと考えている。
また、この点については、「不良債権の移行」とともに、「民間企業」から「民間の金融機関」、そして、「官僚」や「学者」、あるいは、「マスコミ」にまで、この動きが伝染していった状況のようにも感じているが、現在では、ご存じのとおりに、「学術会議において、排除の論理が働き始めている状況」とも言えるのである。つまり、「権力者に逆らうものは、地位や名誉、そして、お金の面で不遇の状態に陥る可能性」が危惧され、その結果として、多くの国民が、同じような考えに支配され、染まっていった状況のことである。
そして、この点に関して重要なポイントは、「西暦1200年前後から始まった西洋の時代」、そして、「西暦1800年前後から始まった資本主義の時代」の末期とも言える「現在」において、「世界中の人々がデジタル革命を信じ込み、デジタル通貨を絶対視する状況」であり、このことは、将来、永遠に語り継がれる異常事態とも想定されるのである。ただし、一方で、「どのような出来事にも、大きな意味が隠されている」という観点からは、「今後、人類が、大きな覚醒期に入る可能性」とも言えるようである。
つまり、これから想定される「デリバティブのバブル崩壊」、そして、「デジタル通貨の完全消滅がもたらす、世界的なハイパーインフレ」により、世界全体が、一挙に、唯心論の価値観へと大変化を迎える状況のことである。別の言葉では、「心のルネッサンス」とでも呼ぶべき大変化が、今後の数百年間で発生する可能性のことだが、実際には、「唯物論」がもたらした「地球環境の破壊」や「自然災害」などに悩まされた人類が、「地球と共生できる社会を形成しようとする動き」のことである。
より具体的には、「通貨価値の激減」に見舞われた人類が、「民族の大移動」の後半戦に移行する状況のことでもあるが、実際には、「文明法則史学」が教えるとおりに、「都会で住みづらくなった人々が、生活や心の安定を求めて、地方へ移住を始める状況」のことである。そして、この点については、「金利の上昇(国債価格の下落)」とともに、一挙に進展するものと想定している。