本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.12.10

干支から見る2021年

2021年は「辛丑(かのと うし)」という暦になるが、「辛」が意味することは、「血を見るような大事件の発生」であり、また、「丑」は「紐」に繋がるように、「金融面での収縮が発生する可能性」を意味している。つまり、末尾に「1」の付く年については、「2011年の3・11大震災」、「2001年の9・11事件」、そして、「1991年のソ連崩壊」や「1971年のニクソンショック」などのように、歴史的に見ても、きわめて大きな事件が発生していることが見て取れるのである。

しかも、今回は、「金融界のブラックホール」とでも呼ぶべき状況下で、20年以上も継続した「超低金利状態」が、終焉の時を迎えようとしているものと想定されるが、この点に関して特筆すべきポイントは、やはり、現代の「デジタル通貨」に関して、大事件が発生する可能性である。具体的には、「金利の上昇」とともに、「世界各国の中央銀行が、一斉に、紙幣の増刷にまい進せざるを得なくなる状況」のことだが、現在では、すでに、この動きが始まっているものと想定されるのである。

より具体的には、いまだに存在する「約6京円」もの規模の「デリバティブ(金融派生商品)」に関して、本格的な「バブルの崩壊」が発生する可能性のことだが、この点に関して、いまだに理解されていない事実は、やはり、「紙幣がコンピューターネットワークの中を流れることができない」という点である。つまり、「お金」が「神様」となった現代では、「お金に対する絶対的、かつ、盲目的な信頼感」が存在するために、「デジタル化の進展」と「マネー理論」が混同されてしまっているのである。

別の言葉では、「1971年のニクソンショック」から始まった通貨制度である「信用本位制」が理解されていないために、最初に、「デジタル通貨」が大量に生み出された事実にも気が付いていないのである。そして、「実体経済の成長も、大量に存在するマネーに左右されていた」という状況が理解できず、単に、「デジタル通貨は、無制限に創造可能である」というような「誤った考え」に陥ってしまったのである。

より具体的には、「過剰マネーの存在により、人類が、地球から排除され始めた可能性」が存在するような状況下で、依然として、人類は、より多くのマネーを求めているわけだが、このような認識を大きく変化させるのが「2021年」だと考えている。つまり、「1221年の承久の変」から、ちょうど800年後の今年に、西洋の「唯物論」から、東洋の「唯心論」への移行が、世界的に認識される可能性である。