本間宗究(本間裕)のコラム
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2022.1.19
蝉を狙うカマキリ
2022年に入り、再び、「北朝鮮のミサイル発射」が注目を浴びているが、この時に思い出されるのが、「荘子の蟷螂窺蝉(とうろうきせん)」であり、このことは、「蝉を狙うカマキリ」と「カマキリを狙うカササギ」の話である。つまり、「自分の利益だけを考えて、差し迫った危険に気が付いていない状況」を表した寓話であるが、実際のところ、「北朝鮮のミサイル発射」については、「自国に有利な条件を引き出すための行為」とも考えられるのである。
しかし、この時に考えなければいけない点は、「北朝鮮に対する他国の思惑」であり、実際には、「中国や韓国、そして、日本やアメリカなどが、さまざまな思惑を持って、いろいろな行為を実施している状況」とも思われるのである。つまり、「軍事費を増加させながら、それぞれの国々が、自国に有利な状況に導こうとする態度」が見え隠れするわけだが、この結果として発生した現象が、「世界的な異常気象」とも考えられるのである。
より詳しく申し上げると、「数百年前から始まった、人類の資本主義的な行動」、すなわち、「自然を征服して、人類が快適な生活を送る態度」の結果として、現在では、「地球環境の温暖化」や「さまざまな自然災害の発生」という状況となっているのである。つまり、かつての「恐竜」と同様に、「人類は、このまま、地球に存在を許されるのだろうか?」という疑問が出始めている状況とも想定されるのである。
別の言葉では、「資本」という「お金」が、「主義」という「最も大切なものである」という意識や認識が、世界的に蔓延した結果として、「お金儲けのためなら、他国の侵略のみならず、人権の侵害や地球環境の破壊も厭わない」と考える人々が増えたものと思われるのである。つまり、現在では、「神は死んだ」という言葉のとおりに、「目に見える物質」の究極形とも言える「お金」を求めて、以前に重要視された「宗教」や「道徳」などが忘れ去られた時代となってしまっていたのである。
より具体的に申し上げると、「西洋の物質文明」が、「悪魔のひき臼」と言われる「マネーの大膨張」をもたらした結果として、「東洋の精神文明」が滅んでしまった状況のことである。つまり、「800年前に発生したルネッサンス(古代物質文明への回帰)」と反対に、現在では、「心のルネッサンス(古代精神文明への回帰)」が始まっているものと思われるが、この時に注意すべき点は、かつての「東ローマ帝国」のように、「物質文明を完全否定する態度」だと考えている。