本間宗究(本間裕)のコラム

* 直近のコラムは、こちら

2022.3.26

2022年のロシア崩壊

「1991年のソ連崩壊」に続いて、「2022年のロシア崩壊」いう可能性が高まってきたものと感じているが、この間の「約30年」を振り返ると、やはり、「世界的な金融経済化」が指摘できるようである。つまり、「1991年のソ連崩壊」については、当時、「資本主義に対する共産主義や社会主義の敗北」と理解され、その後、「ロシアや中国なども、急速に、資本主義市場に参入してきた状況」だったのである。

そして、結果としては、「人類史上、未曽有の規模でのマネー大膨張」、すなわち、「今までとは桁違いの規模で、しかも、オフバランスで、デリバティブの残高が急増した展開」となったのである。つまり、「米国」を中心にして、「デリバティブという金融商品」と「デジタル通貨という貨幣」が大量に創りだされたものの、最近では、「異常気象問題」や「金融システムの崩壊懸念」などのように、「マネーの大膨張がもたらした、さまざまな歪みが、世界全体を襲い始めていた状況」だったことも見て取れるのである。

また、過去30年間に資金力や軍事力を蓄積してきた「中国」や「ロシア」については、「1991年のソ連崩壊」に関して、さまざまな研究を行いながら、「金(ゴールド)の保有」に注力してきたことも見て取れるのである。つまり、「金本位制への復帰」を目論みながら、「欧米諸国の金融混乱」を待っていた状況のようにも感じられたが、実際には、ご存じのとおりに、「プーチン大統領の自爆テロ」とも言える「ウクライナへの軍事侵攻」という暴挙に訴えたという結果となったのである。

そして、この理由としては、「ジョージアやチェチェンなどにおける軍事的な成功体験」、すなわち「プーチン大統領が、過去20年間、戦争に負けたことがない状況」が指摘できるものと思われるが、実際には、「あまりにも時代錯誤的な行動」だったものと考えられるのである。つまり、「軍事力による他国への侵攻」に怯えた「欧米諸国」が、こぞって、「ロシアへの経済制裁」を実行したわけだが、このことは、「プーチン大統領にとって、想定外の出来事」だったようにも感じられるのである。

そのために、現時点で必要なことは、「プーチン大統領抜きのロシアは、今後、どのような状況になるのか?」ということだけではなく、「欧米諸国の金融システムが、今後、どのような影響を受けるのか?」を考えることである。具体的には、「現在の日本が、1991年のソ連と、極めて似た状態にあるのではないか?」、そして、「国債価格の暴落とともに、ハイパーインフレが発生するのではないか?」ということである。