本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.7.6

中国共産党の急激なソ連化

現在の「中国」は、「ソ連崩壊前の状態」を彷彿とさせる状態のようにも感じているが、具体的には、「経済的な合理性」よりも「共産主義的な政治目的の完遂」が望まれている状況のことである。別の言葉では、「鄧小平氏」が始めた「疑似的な資本主義政策」が放棄されるとともに、「習近平氏による独裁的な共産主義的政策」が採用されることにより、「中国政府の資金繰りが、急速に悪化している可能性」のことである。

具体的には、「中国の不動産バブル崩壊」で発生した「大量の不良債権」が、現在、「民間企業や個人」から「民間銀行」への移行が始まっており、今後は、「政府や中央銀行」への移行が顕著になるものと思われるのである。つまり、「30年前の日本」と同様の展開が、今後、「金利の上昇とともに、驚くべきスピードで進展する可能性」が憂慮される状況でありながら、「共産党による一党独裁」が、その速度をさらに加速させているものと考えられるのである。

より詳しく申し上げると、現在の「強制技術移転」という、「中国に主要技術を渡すか、それとも、中国市場から排除されるのか?」という選択を、外資企業に迫っている状況については、「40年ほど前の中国が、どのような状況だったのか?」を忘れた「思い上がりの外交政策」とも思われるのである。つまり、「海外企業までをも、共産党の支配下に置こうとするような事態」のようにも感じられるが、実際には、現在の「ロシア」と同様に、「対外的な反発」を招くだけの結果に終わるものと想定されるのである。

そのために、これから最も注目すべきポイントは、「中国政府の資金繰り」だと考えているが、実際には、「中国地方政府の財政難」に加えて、「負債が120兆円に達した中国新幹線」などのように、「利益を無視した過剰な公共投資」が問題点だと感じている。つまり、「ソ連崩壊」の前に言われた「質よりも量を重視する政策」、具体的には、「役に立たない商品でも、数さえそろっていれば問題がない」と認識されるような状況のことである。

そして、この点に関して試金石となるのが、現在の「中国が保有する米国の国債」だと考えているが、実際には、すでに始まっている「米国債の売却」が加速する可能性であり、その時には、「中国政府の資金繰りが窮まった状況」のようにも感じられるのである。ただし、今回は、その前に、「米国のメガバンクが保有する大量のデリバティブの完全崩壊」という可能性も想定されるために、今後の数か月間は、「人類史上、未曽有の金融大混乱期」に突入する状況のようにも感じている。