本間宗究(本間裕)のコラム
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2023.11.15
急増を続ける国家の借金
現在、米国では、「急増を続ける国家の借金」に対する警戒心が急速に高まっている状況であり、実際には、「33.7兆ドル(約5050兆円)にまで膨らんだ国家の借金残高」に関して、「今後、だれが、国債を買うのか?」、あるいは、「金利の支払い額が1兆ドルを超えるような状況下で、どのようなことが起こるのか?」などが懸念され始めているのである。つまり、「思考停止状態のような日本人」とは違い、多くの人々が、国家の財政問題を直視し始めるとともに、自己防衛策を行使し始めている状況ともいえるが、今回の問題点は、やはり、「1971年のニクソンショック」から始まった「信用本位制と呼ぶべき通貨制度」に対する理解が深まっていない事実が指摘できるようである。
より具体的には、「商品」のみならず、「貨幣」において、過去50年間余りの期間に、「質と量の劇的な変化」が発生したことにより、従来の経済理論が、ほとんど役に立たなくなってしまったのである。あるいは、「未熟な経済学」の欠点が、今回の「マネー大膨張」により炙(あぶ)り出されてきた可能性も考えられるが、今後は、この点について深い認識や理解を持った人々が、社会のリーダーとなる可能性も想定されるようである。
別の言葉では、「経済学」や「社会科学」の進歩、あるいは、次元上昇により、これから想定される「約800年間の東洋の時代」、すなわち、「西暦400年から1200年」と同様に、「東洋の唯心論的な文明」が発達するものと思われる期間に、「どのような社会が築かれていくのか?」が理解できるようにも感じられるのである。つまり、「11次元にまで進化した自然科学を、どのようにして人間社会に応用するのか?」ということであり、実際には、「量子力学や分子生物学、あるいは、複雑系の理論」などが、急速に進化する状況のことである。
ただし、現在は、いまだに、「急増を続ける国家の借金」に対してさえも解決策が見いだせない状態のために、「これから、どのような大混乱が待ち受けているのか?」が気になる状況でもあるが、実際には、「案ずるより産むが易し」という言葉のとおりに、「金融大混乱に直面した人類が、果敢な行動をとり始める可能性」も想定されるようである。つまり、「戦後の日本人」のように、「金融面の焼け野原」に陥った時に、人々の認識面での大転換が起こる可能性を考えているが、実際には、「西洋的な奪い合い」ではなく、「東洋的な分け合い」が共通の価値観となる可能性である。しかも、この点については、「マネーが結び付け、支配した、現在のグローバル共同体」の崩壊後に想定される「数多くの小さな共同体」において、強くなった「個人の力」が発揮される展開とも言えるようである。