本間宗究(本間裕)のコラム
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2024.2.2
2024年の世界的金融大混乱
日本時間の「2月1日」に発生した「日本のあおぞら銀行」と「米国のニューヨーク・ コミュニティー・バンコープ」の株価急落は、「2024年の世界的金融大混乱」の予兆のようにも感じている。そして、その理由としては、「1997年から98年の世界的信用収縮」や「2007年から2008年のGFC(世界的金融大混乱)」と似たようなパターンを形成している点が指摘できるものと考えている。
具体的には、「1997年の8月から始まった世界的な信用収縮」に関しては、「約半年の中休み期間を経て、1998年に混乱が本格化した」という状況であり、また、「2007年からのGFC」についても、同様のパターンが繰り返されていたことが見て取れるのである。そして、今回の「2023年8月15日」から始まった「世界的な金融大混乱」についても、同様のパターンが繰り返されるものと感じているが、一方で、大きな相違点としては、「金融機関のバランスシート大膨張のメカニズム」が挙げられるものと考えている。
つまり、「1997年の信用大収縮」については、「民間金融機関のオンバランスにおけるバランスシートの大膨張」が終了した結果の金融大混乱であり、また、「2007年のGFC」については、「民間金融機関のオフバランスにおけるバランスシートの大膨張」が終了した結果の金融大混乱だったものと考えられるのである。別の言葉では、「民間金融機関のバランスシート膨張により、新たなマネーが創り出された状況」を意味していたものと考えられるが、その後の展開としては、「中央銀行のバランスシート大膨張」、すなわち、「リフレーション政策の実施」により「民間資金が政府債務に移行するインフレ政策」が実施されたことも理解できるのである。
そのために、今後の「2024年の世界的金融大混乱」については、「リフレーション政策の終焉」と「ハイパーインフレの始まり」を意味する展開になるものと思われるが、実際には、「中央銀行の資金枯渇」により、古典的な「財政ファイナンス」、すなわち、「債務の貨幣化」が実施される状況のことである。
つまり、「究極のBNPL(Buy Now, Pay Later, いま買って、後で支払う)」が実施された可能性、すなわち、「民間から中央銀行、そして、政府までもが、大量の借金を抱えながら、未曽有の規模での消費を実施した状況」のようにも思われるとともに、この問題を解決する方法としては、「CBDC(中央銀行デジタル通貨)」の失敗後に実施される「紙幣の大増刷」しか残されていない状況であるものと考えている。