本間宗究(本間裕)のコラム

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2024.3.27

1600年前のグラディエーター

大谷選手の元通訳が犯した「スポーツ賭博事件」については、多くの人々が、大きな衝撃を受けたものと思われるが、同時に感じることは、「この事件に、どのような意味が隠されているのか?」を理解する必要性でもあった。つまり、「実際に発生した事件」、すなわち、「成ったこと」には、必ず、「天からのメッセージ」が含まれているものと思われるために、その時々で、「事件の意味」を考える必要性があるようにも感じられるからである。

より具体的には、「歴史の全体像」を考える上で、あるいは、「未来予測」において、「これから発生する事件は、すべて、時空のジグソーパズルを形成する一コマではないか?」とも思われるために、「それぞれの事件に隠されている歴史的な背景」を、詳しく分析する必要性があるものと思われるのである。そして、今回は、この事件をきっかけにして、「1600年前のグラディエーター」が、私の脳裏に浮かんできたが、この理由としては、「パンとサーカスの生活を享受してきたローマ人が、当時、どのような価値観を持ち、また、どのような意識と行動で生活してきたのか?」が気にかかるからである。

つまり、「文明法則史学」が教える「800年ごとの東西文明の交代」が、今回の「スポーツ賭博事件」の背景に存在する可能性が思い浮かぶとともに、以前から疑問に思っていた「当時のグラディエーター(剣闘士)」と「現代のスポーツ選手」との類似性が、再び、気になったのである。別の言葉では、「グラディエーターという職業が、その後、いつまで継続したのか?」という疑問であり、この点については、ウィキペディアで、「618年に正式に禁止され消滅した」とも説明されているのである。

このように、「現時点で当たり前と思われている職業」についても、歴史を尋ねると、「まったく違った姿」が見えてくるわけであり、また、「社会情勢」については、より大きな変化が発生することも見て取れるのである。そして、この点を、私自身が作成した「心の座標軸」で考えると、現在と同様に、「目に見えるもの」を追い求め、かつ、「自分」のために行動した結果として、「世界的な大都市群」が誕生し、それに伴い、「大量のマネー」が創られた状況が、今回の事件の根本的な原因だったようにも思われるのである。

そのために、これから必要なことは、現在の「世界的な大都市群」を形成する要因の一つとなった「デジタル通貨」が、「今後、どのような変化を見せるのか?」を観察しながら、同時に、「人々の意識と行動が、その変化に対して、どのように対応するのか?」についても、注意深く見守ることだと考えている。