本間宗究(本間裕)のコラム
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2024.4.9
龍の如意宝珠
「海で千年、山で千年修業した蛇が金の龍となって天に駆け上り、世界助けをする」という「海千山千」の伝説には続きがあったが、それは、「龍(ドラゴン)の如意宝珠(ボール)」であり、具体的には、「昇竜は、その後、降龍に変化し、地上に降りるが、その時に、龍の如意宝珠を持ち帰る」というものである。つまり、「すべての願いが叶う」といわれる「龍の如意宝珠」が地上に降りることにより、世界が助かるというものだが、この点については、「人類が、正常な心を取り戻す状態」を表しているようにも感じている。
より詳しく申し上げると、1600年前に発生した「西ローマ帝国の崩壊」以降、数多くの「小さな共同体(コミュニティー)」に分裂した世界は、その後、長い時間をかけて、「グローバル共同体」にまで成長したものの、その過程で産み出されたのが「大量のマネー」であり、実際には、最後の段階である「過去50年余りの期間」に、大量に創られた「デジタル通貨」だったものと考えられるのである。
別の言葉では、「カール・ポランニー」が指摘する「悪魔の碾き臼」という言葉のとおりに、世界中の人々が、「西洋文明の象徴」ともいえる「お金(マネー)」に「魂を売り渡したような状態」となった可能性のことである。つまり、「海で千年、山で千年」という表現については、「西暦2000年」を意味するとともに、「西洋の千年王国」、そして、「東洋の千年間」を表している状況のようにも感じられるのである。
より具体的には、「人類社会の精神的な次元上昇」については、これほどまでの永い時間が必要な可能性のことでもあるが、今回、「地上の人類」にもたらされるものは、「心」という「光の玉」のようにも考えている。つまり、「孫悟空の如意棒」のように、「心」は「時間と空間を超えて、どこにでも到達可能」であり、また、「自分の心次第で、どのようなことも可能になる状況」が、人々に理解され始めるものと思われるのである。
そして、この真理を伝えるために、「3月1日に亡くなられた鳥山明氏」が、「約40年という長期間にわたり、ドラゴンボールのアニメを世界中に広めた」という状況だったものと思われるが、タイミングとしても、「村山節の文明法則史学」が教える「西洋の時代が終焉し、東洋の時代が始まる状況」を的確に表していたものと思われるのである。つまり、「金(ゴールド)」が「紙幣」となり、その後、「デジタル通貨」に変化した過程で、「人々の心」が失われたものの、現在では、「金価格の上昇」により、「魂の復活」あるいは、「心のルネッサンス」とでも呼ぶべき変化が発生している状況のことである。