本間宗究(本間裕)のコラム

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2024.7.8

科学と宗教の現状

今から100年ほど前の「19世紀から20世紀への転換期」に起こったことは、「科学と宗教との闘争」であり、結果としては、「神は死んだ」というニーチェの言葉のとおりに、「科学の全面的な勝利」に終わったことも見て取れるのである。つまり、その後の世界では、「科学的に証明できないものは信用しない」というような認識が広まるとともに、「科学全盛の時代」が始まったことも理解できるが、一方で、「過去100年間の社会的な変遷」を調べると、違った意味が隠されている状況のようにも感じられるのである。

具体的には、「神」を信用できなくなった人々が、「新たな神」とも言える「貨幣(マネーやクレジット)」への信仰心を深めた展開のことであり、特に、「1971年のニクソンショックから始まった『信用本位制』と呼ぶべき通貨制度」においては、「紙幣」ではなく、「デジタル通貨」という「単なる数字」が本位貨幣となり、天文学的な規模にまで「金融資産と負債の残高」を大膨張させたことも理解できるのである。

つまり、大膨張し、堕落した「通貨や貨幣」が、「人々の精神」のみならず、「宗教組織」や「社会組織」までをも堕落させたことにより、現時点では、「世界中の人々が、宗教やイデオロギーによる闘争や紛争を繰り返している状況」となっているのである。具体的には、現在の「ウクライナ」や「ガザ」などの戦争のことでもあるが、この原因としては、ひとえに、「進化した自然科学の技術を使う人間性の未成熟さ」が挙げられるものと感じている。

別の言葉では、「三次元の世界」に留まっている「社会科学」が、いまだに、世界的な戦争や紛争を繰り返している状況とも思われるが、この時に、きわめて重要な役割を果たすのが、「大膨張した貨幣の消滅」とも想定されるのである。つまり、「文明法則史学」が指摘するとおりに、「1600年前の西ローマ帝国崩壊」と似たような状況が発生し、その結果として、「西洋の物質文明が崩壊する可能性」のことである。

また、一方で、勝利した「科学」については、その後、「物理学」を中心とした「次元上昇の波」に飲み込まれ、結果としては、「11次元の世界」にまで進化したといわれているが、このことは、今後、「科学と宗教との闘争」を再燃させる可能性も想定されるのである。つまり、今後は、「東洋の精神文明」が繁栄を始めるものと考えているが、この時に役立つのが、「大膨張したデジタル通貨」から産み出された「生成AI」であり、実際には、「四次元や五次元にまで進化した社会科学」が導き出す未来社会を利用した「新たな経済理論」のことである。