本間宗究(本間裕)のコラム
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2024.7.11
ニフティフィフティーとテックバブル後の金価格急騰
米国NASDAQの株価は、現在、「日足と週足、そして、月足の全てにおいて、フラクタル的な三段上げを完成した状態」のために、最近の米国では、「かつてのニフティフィフティーやテックバブル相場などと同様の運命をたどるのではないか?」という意見が頻繁に聞かれる状況となっている。別の言葉では、これほどまでのバブル相場が繰り広げられたことに「驚き」の念を覚えつつも、現在では、さすがに、「全ての上昇エネルギーが使い果たされた可能性」を認識せざるを得ない状況とも思われるのである。
より具体的には、「今回の『マグニフィセント7』と言われた大相場が終了した後に、どのような展開が待っているのか?」について、多くの人が考え始めた状況とも思われるが、この点に関して、今回、私自身が気付かされたことは、「かつてのバブル相場の後に、金価格の急騰が発生した事実」でもあった。具体的には、「1970年代初めの米国で見られた少数優良銘柄中心の上昇相場」を意味する「ニフティフィフティー」の後には、「金価格が35ドルから850ドルまでの急騰を演じた状況」だったことも見て取れるのである。
また、「2000年前後のテックバブル」の後には、「金価格が約250ドルから約1900ドルまでの急騰を演じた」という状況のために、現時点における注目点としては、「今回のMAG7のバブル崩壊後に、以前と同様の金価格急騰が発生するのか?」が挙げられるものと考えている。あるいは、「どこまで金価格が上昇する可能性があるのか?」や「価格が上昇する場合には、どのようなメカニズムが働いているのか?」などの疑問点も、今後、噴出し始める可能性も想定されるのである。
そのために、現時点で必要なことは、「1970年代」と「2000年代初頭の10年間」、そして、「現在の状況」を比較しながら、「現在、どれほどのマネーとクレジットが、株式市場や貴金属市場に流れつつあるのか?」の理解のようにも感じている。つまり、「1971年のニクソンショック」から始まった「信用本位制と呼ぶべき通貨制度」に関して、現在は、「金融システムのみならず、通貨制度の崩壊も危惧される状況」とも言えるために、現時点で理解すべき点は、「今後、どのような展開が、世界の金融界で発生するのか?」ということのようにも思われるのである。
具体的には、古典的な「ハイパーインフレの発生」を想定しているが、今回の問題点は、「1600年前の西ローマ帝国の崩壊」が唯一の参考例となるために、「今後、どれほどの規模で、世界的な金融混乱が発生するのか?」が見えにくい点が挙げられるようである。