
本間宗究(本間裕)のコラム
* 直近のコラムは、こちら。
2024.12.22
失脚が噂される習近平
現在の中国では、「習近平の失脚、あるいは、辞任」が噂される状況となっているが、この理由としては、ご存じのとおりに、「あまりにも稚拙な経済政策や外交」などが挙げられるものと考えている。つまり、「鄧小平の改革開放政策」により、短期間のうちに「世界第二位の経済大国」に急成長したものの、現在では、「人類史上、稀に見るほど急激な経済的没落」を味わっている状況とも言えるのである。
そのために、「中国共産党」としては、「習近平国家主席の交代」により、再度、「経済的な成長」を目論んでいるものと思われるが、この点に関する注意事項としては、「失った信用が、いつ、どのようにして回復されるのか?」が挙げられるものと考えている。具体的には、「マルクス主義的中華思想」とでも呼ぶべき認識、すなわち、「資本主義崩壊後に共産主義の時代が訪れ、その時には、中国が世界の覇権国になる」というような理解のもとに、「他国を侵略するような行為」を繰り返している状況については、今後、世界中の人々が、より一層、警戒心を抱くものと思われるのである。
しかも、現在の世界情勢については、「1980年代からの中国」、そして、「1990年代からのロシア」からも見て取れるように、「共産諸国が資本主義化し、グローバル共同体を形成した状況」が終焉した状況とも言えるのである。別の言葉では、「グローバル共同体の形成過程で、大量のデリバティブとデジタル通貨が創り出された状況」だったものの、現在では、反対に、「グローバル共同体や国家共同体の分裂」が始まっている段階とも言えるのである。
より詳しく申し上げると、「共同体の規模拡大に比例して膨張した世界のマネー」については、現在、急速に収縮を始めており、その結果として、世界のいたるところで、「大量の不良資産発生」や「資金面での枯渇」に見舞われる状況となっているのである。つまり、「1980年代からの中国の経済発展」については、きわめて異例な好条件下で発生した出来事とも考えられために、「今後、同じような展開が繰り返される可能性」については、ほとんど存在しない状況とも思われるのである。
そのために、これから予想される事態としては、「1600年前の中国」と同様に、「国家の分裂」が挙げられるが、実際には、「中国共産党の消滅」により、当面は、「内乱状態が繰り広げられる可能性」であり、その後に、「南北朝」のような「国家が二分される状態」とも言えるようである。