本間宗究(本間裕)のコラム

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2025.1.23

トランプ大統領の新たな4年間

トランプ大統領の「新たな4年間(2025年から28年)」に関しては、「前回の4年間(2017年から21年)」とは違い、「いばらの道」になるものと考えているが、実際には、「金の切れ目が縁の切れ間」や「無い袖は振れぬ」などの諺のとおりに、「資金面での苦境」が待っている状況とも想定されるのである。別の言葉では、「前回の4年間」が、「ゼロ金利」などに象徴されるように、「アメリカ経済とデジタル化の絶頂期」だったようにも感じられるが、今後の「新たな4年間」については、「以前に発行した国債の借り換え問題」が発生するとともに、今まで隠蔽されてきた「デリバティブのバブル崩壊」も表面化するものと思われるのである。

より詳しく申し上げると、「1600年前の西ローマ帝国の崩壊時」と同様に、「民族大移動の後半戦」へと移行する可能性が想定されるが、具体的には、現在の「中国」のように、「大都会の生活が難しくなった人々が、地方や海外などへと移り住む事態」のことである。つまり、「マネーの力」により大都会に引き付けられてきた人々が、「信用消滅」がもたらす「インフレ(通貨価値の下落)」により、大都会を離れざるを得なくなる状況のことでもあるが、この点については、「全ての道はアメリカに通ず」というような「前回の4年間」とは違い、「今後の4年間」は、「1990年代と同様に、金融混乱が発生し、アメリカの信用が失われる可能性」も予想されるのである。

より具体的には、「デジタル通貨」そのものに対する認識の変化のことでもあるが、実際には、「メガバンクの巨額損失や連鎖破綻」などにより、現在の「信用本位制と呼ぶべき通貨制度」が崩壊する可能性のことである。つまり、「通貨制度の寿命は約50年」というケインズの言葉のとおりに、現在の通貨制度に関しては、制度疲労を起こしている状況となっているものと考えられるのである。

そのために、現時点で必要なことは、「これから、どのような時代が訪れるのか?」を世界全体で考えることとも思われるが、過去の歴史から理解できることは、やはり、「西暦425年前後の西ローマ帝国」が、最も参考になる可能性とも言えるのである。しかも、現時点では、「村山節(みさお)の文明法則史学」が、最も正確に現状説明している状況とも思われるために、今後の重要なポイントとしては、「西洋の物質文明」と「東洋の精神文明」の関係性を理解しながら、「どのようにしたら、経済学などの社会科学が次元的上昇を達成できるのか?」を考えることであり、また、「11次元にまで上昇した自然科学」の歴史を参考にすることのようにも感じている。