本間宗究(本間裕)のコラム

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2025.2.11

実体経済とマネーの関係性

私自身は、今まで、「実体経済が主であり、マネーが従である」というような認識を持っていたが、最近では、「より複雑な構図が存在しているのではないか?」と考えるようになった。具体的には、「共同体の規模」を加味する必要性のことでもあるが、実際には、原点にさかのぼりながら、「実体経済とマネーの関係性」を考慮することであり、この時には、「無人島の一人暮らし」の例からも明らかなように、「一人の時に共同体が存在せず、マネーの必要性もなかった状況」だったことも理解できるのである。

そして、その後、「もう一人のメンバー」が加わり、「分業」が始まったと仮定した時には、「共同体の規模拡大がもたらす生産性の向上」や「相手への信用」と「その裏側に存在する盲目化」などが進展した状況だったことも理解できるのである。つまり、「共同体の規模拡大」が「信用の創造」につながったものの、同時に発生する現象は、「分業がもたらす他人への隷従化」だったようにも感じられるのである。

別の言葉では、「実体経済とマネーの関係性」を分析する際に、「共同体の規模」を加える必要性があるものと思われるが、具体的には、「1600年ほど前に崩壊した西ローマ帝国」と「その後の共同体の規模拡大」を考えることである。つまり、「巨大帝国の分裂」により発生した「数多くの小さな共同体」が、その後、時間をかけて、再び、現在のような「グローバル共同体」の形成にまでつながった状況のことである。

しかも、この時には、「村山節(みさお)の文明法則史学」が指摘するとおりに、「800年間の東洋的な精神文明」と「800年間の西洋的な物質文明」が存在することも理解できるのである。そのために、現時点で必要なことは、「過去1600年間に、どのようなメカニズムで、グローバル共同体が形成されたのか?」、あるいは、「実体経済とマネーの規模逆転現象が、どのようなメカニズムで発生するのか?」などを考えることとも思われるのである。

より詳しく申し上げると、「宇宙の法則」とも言える「絶えざる進化と創造」に関して、「共同体の規模拡大がもたらす摩擦や刺激が、技術的な進化や戦争などに関して、どのような影響を及ぼすのか?」などを根本から考え直すことである。つまり、「11次元にまで上昇した自然科学」を参考にしながら、「3次元にとどまっている社会科学」、特に、「経済学」などの次元上昇を図ることでもあるが、この点に関して、現在の世界的な金融大混乱は、最も大きなヒントが与えられる時のようにも感じている。