ストックマーケットレポート・サンプル 2016.2.20号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
今年に入り、世界の金融市場は、まさに、「荒れ狂ったような状態」となっていますが、このことも、結局は、「国債」と「金」とを巡る「金融大戦争」が、最後の段階に差し掛かっていることの「象徴的な動き」ではないかと考えています。つまり、現在の「世界の国債価格」、特に、「日本国債の価格」につきましては、次のチャートのとおりに、典型的な「万人が呆れる価格」にまで急騰し、「歴史的な大天井」を形成したようにも思われるわけです。そのために、このような状況下では、「過去のバブル」を思い出しながら、「これから、どのような事が起こるのか?」を考える必要性があるようにも考えている次第です。
具体的には、下記のチャートのとおりに、「2000年のソフトバンク」が、参考になるものと思われますが、当時は、「バブルの最終段階」で、きわめて異常な「株価の上昇」が見られたわけです。つまり、「20万円弱にまで、最後の約1カ月間で、株価が2倍程度の上昇をした状況」のことです。そして、この時に言われたことが、「万人が呆れ果てたる値が出れば、それが高下の境なりけり」という相場の格言でしたが、今回の「国債価格」も、同様の状況となっているようにも思われるわけです。
しかも、今回の「世界的な国債バブル」につきましては、「人類史上、最も激烈な動きだったのではないか?」とも思われるとともに、最後の段階で、「日本の10年国債」までが、「マイナス金利」の状態になったことも理解できるわけです。そして、このことは、「1800年頃」から始まった「資本主義」そのものが、「危機的な状況」となっていることを意味し、また、「断末魔の叫び」を上げているような状態とも思われますので、今後、世界的な「国債価格の暴落」が始まった時に、「どのような事が起こるのか?」が、より一層、気に掛かる状況となってきたようです。
このように、今回は、日本で、「きわめて異常な動きが発生した」、しかも、前述のとおりに、「10年国債のマイナス金利」という、「人類史上、初めての出来事」が、昨年の「スイス」に続いて、「日本」でも発生したことも理解できるわけです。別の言葉では、「ユーロと、実質上、為替が固定されていた」という「スイスの特殊事情」を考慮しますと、「先進大国では、今回の日本が、歴史上、初めて、マイナスの10年国債金利を経験した」ものと考えられますので、今回の「日本国債の価格急騰」につきましては、やはり、典型的な「バブルの最終波動」だったようにも感じられるわけです。