ストックマーケットレポート・サンプル 2016.3.20号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
現在では、連日のように、いろいろな事件が起きていますが、具体的には、「北朝鮮に関する動向」や「国会での待機児童問題に関する騒動」、あるいは、「BISのマイナス金利に関するコメント」や「MMFの完全消滅」などのことになります。そして、私自身としましては、ほとんどの出来事に、「通貨の堕落」が引き起こす「崩壊の力」が関係しているようにも思われますので、今回は、特に気になりました「MMFの完全消滅」について、できるだけ詳しく説明させていただきたいと思います。
つまり、「信用は、ほぼ一瞬に崩壊する」という言葉のとおりに、今までも、いろいろな「金融商品」が、今回の「MMF」と、同様の運命を辿ってきたわけです。そして、この原因を理解するためには、どうしても、「信用創造の仕組み」や「流動性の本質」などを、歴史的観点から、正確に把握する必要性がありますが、実際には、「過去100年間に、どれほどの資金や金融商品が生み出されたのか?」、そして、「それらの金融商品は、現在、どのような状態となっているのか?」ということです。しかし、残念ながら、現在では、この点が、ほとんど理解されていない状況でもあるわけです。
その結果として、現時点でも、「訳が分からない状態」が継続するとともに、実に、さまざまな意見が出ている状況でもありますが、基本的には、「通貨制度の歴史」を振り返ることにより、「今後の展開が、予想できるのではないか?」と考えている次第です。つまり、すでに発生している「信用創造の逆回転」、あるいは、「信用崩壊」の実情を、根本的に考えることにより、「今後の展開」を予想することですが、この時に必要なことは、やはり、「三種類の金本位制」と、現在の「信用本位制」につきましての、より深い理解であるようにも感じている次第です。
より具体的には、「1933年のアメリカで、なぜ、金貨が没収されたのか?」、また、「1944年のブレトンウッズ会議とは、一体、どのようなものだったのか?」、また、「ニクソンショックは、なぜ、起きたのか?」などを正確に理解した時に、現在の「金融混乱の本質」と、「今後の展開」が、よりはっきりと見えてくるものと考えているわけです。しかし、現在の日本では、前述のとおりに、この点が、ほとんど理解されていないために、今回、あるいは、今までの「BISのコメント」につきましても、誤って報道されている可能性があるようにも感じられるわけです。
具体的には、「3月6日」に発表されました「BISの四半期レポート」につきまして、マスコミでは、現在、「マイナス金利への警告」という点が強調されていますが、実際には、単に、「ヨーロッパの現状」を述べるだけにとどまっており、今後の「金融システムへの影響」につきましては、ほとんどコメントされていないわけです。別の言葉では、「年次総会のレポート」とは、大きな違いがあるようにも感じていますが、今回のレポートで強調されたことは、「ヨーロッパの国々では、慎重に、かつ、周到な用意を持って、マイナス金利が実施された」という事実でもありました。