ストックマーケットレポート・サンプル 2016.3.30号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

「3月16日」に「FOMC(連邦市場公開委員会)」が開催され、米国で「金利の据え置き」が決定されました。そして、この時に、「イエレン議長」が述べたことは、「景気は順調に拡大している」、「インフレ率は、目標値である2%を下回っている」、そのために、「金利は据え置くが、従来通りに、保有している国債や担保付証券からの利息は再投資する」というようなコメントにすぎませんでした。つまり、マスコミで報道されている、「今年は、4回から、2回の利上げに変更された」というような意見は、全く出ていないわけです。

そして、「なぜ、マスコミで、このような意見が報道されているのか?」につきましては、次の「ドットチャート」という、「今後、金利がどのように推移するのか?」についての、「17人のFOMCメンバーによる予想平均値」が、大きな影響力を持っているようです。しかし、この点につきましては、「日銀短観」のような「判断調査」よりも、より一層、「信頼度が低い予想数字」であり、実際には、ほとんど実践の役に立たない統計数字だと考えていますが、現在の日本では、これらの数字が、過度に信用されている状況とも言えるようです。

その結果として、現在の日本では、「今後の金利動向」につきまして、実に、いろいろな意見が出ていますが、基本的には、「中央銀行からの発表」が、ほぼ全面的に信頼されている状況とも言えるようです。別の言葉では、「大本営的な発表」となっているようにも感じていますが、今回は、昨年まで「ダラス地方連銀の総裁」を務めた「リチャード・フィッシャー氏」の、驚くべきコメントを紹介させていただきながら、現状を再確認したいと思います。

具体的には、3月9日に、「CNBC」で放映されました、「2009年から、アメリカの株価が二倍になった」ことを祝う番組に出演し、「我々は、金融システムに、コカインとヘロインを注入してきた」というコメントをしたわけです。そして、同時に、「現在の米国金融システムは、リタリン(米国で合法シャブとも呼ばれる覚醒剤)で、生き長らえている」とも述べたわけですが、前述のとおりに、「リチャード・フィッシャー氏」は、「FRBの下部組織」である「12の地方連銀」のうち、「ダラス地方連銀の総裁」を「2005年から2015年」まで務めた人物でもあるわけです。

つまり、現在のアメリカでは、これほどまでの重職にあった人物が、このような過激なコメントを述べているわけですが、このニュースにつきまして、「ジェラルド・セレンテ氏」という金融の専門家も、実に辛辣なコメントを述べているわけです。具体的には、「現在のFRBは、弾薬が切れた巨大兵器である」、しかも、「ゼロ金利政策」と「数回に及ぶ量的緩和(QE)」は、本来の「市場価格」を破壊しただけではなく、「ウォール街のギャンブラーたちを、より一層、裕福にさせるために、市中の人々から預金を奪った」と述べているわけです。