ストックマーケットレポート・サンプル 2016.5.10号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
今回は、「ゴールデンウィークの連休」が重なるために、この機会を利用しまして、「長期的、かつ、基本的な観点からの考察」を行ってみたいと思いますが、具体的には、前回のレポートで申し上げました「グレシャムの法則」に関する「より深い分析」 のことになります。そして、この理由としましては、「個人が、常日頃、どのような選択をするのか?」、また、「個人の選択した行動が、結果として、全体に、どのような影響を与えるのか?」を、「通貨」のみならず、「いろいろな観点」から考える必要性があるようにも感じているからです。
別の言葉では、「合成の誤謬(ごびゅう)」という言葉が意味するように、「個人にとって良いと思われる選択が、全体としては、良くない結果に繋がる」という状況が、世の中では、往々にして発生する事も理解できるわけです。つまり、古典的な「グレシャムの法則」のように、「人々が悪貨を嫌い、良貨を選択した結果として、市場が悪貨で溢れかえり、人々は、再び、悪貨を受け取る」という状況のことであり、また、私が提唱しました「広義のグレシャムの法則」からは、「人々が、お金を大切にした結果として、マネーの大膨張が起き、現在では、世界中の人が、お金に振り回されている状況」となっていることも見て取れるわけです。
そのために、この点を、より詳しく分析することにより、「世界の全体像に関する、歴史的観点からの理解」が深まるとともに、「心のメカニズム」も解明できるのではないかと考えているわけです。具体的には、「人々が、どのような考えで、現在の選択を行うのか?」ということですが、現在では、「ほとんど全ての人が、自分の気付かないうちに、実に多くの選択を、毎日、行っている状況」でもあるわけです。つまり、「何を食べ、何を着るのか?」という「日常的な行為」に始まり、「何に投資し、どのようなビジネスを行うのか?」という「職業的な行為」などにまで及んでいるわけです。
そして、この時に考えなければいけないことは、やはり、「お金の存在」ですが、実際には、「お金が増えると、選択肢が増える」という状況が考えられるわけです。別の言葉では、「お金と時間を、どのように使うのか?」に関して、「希望」や「喜び」、あるいは、「悩み」や「苦しみ」が生まれてくるものと思われますが、実際に、「お金があれば嬉しいものの、一方で、投資や使い道に悩み、また、お金が無ければ、工面に悩む」という状況となっており、この点につきましては、「中国の偉人である王陽明」も、「天下が万変しても、喜怒哀楽の四者を出でず」とも述べているわけです。
つまり、「どのような混乱期においても、人生は、喜怒哀楽の中にある」ということですが、反対の観点からは、「人々が、何を喜び、何を怒り、また、どのようなものを悲しみ、あるいは、楽しむのか?」を理解することが、「天地自然の理に近づく方法の一つ」とも考えられるわけです。そして、この「メカニズム」が解明できた時には、「悩み」や「苦しみ」が無くなり、反対に、「喜び」や「楽しみ」だけが残るようにも感じていますが、実は、このことが、私が目指している「四次元、あるいは、五次元の経済学」でもあるわけです。