ストックマーケットレポート・サンプル 2016.6.10号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
今回の「オバマ大統領の広島訪問と演説」には、たいへん「感動」するとともに、大きな「驚き」を覚えましたが、その理由としましては、「オバマ大統領の演説内容」が、「5月のレポート」で説明しました「五次元経済学の基礎理論」と、たいへん酷似していたからです。そのために、今回は、この点を詳しく説明させていただきながら、今後の展開を考えてみたいと思いますが、実際には、「唯物論」と「唯心論」の違いや、あるいは、「市場経済」と「共同体」が、「どのようなメカニズムで発展するのか?」を理解することが、最も重要な点とも言えるようです。
また、この「基礎理論」を、5月28日に、「ポスト資本主義研究会」で発表しましたら、今までとは違い、「まったく反対する意見が出なかった」、あるいは、「これで、人類の歴史は、ほとんど説明できるのではないか?」というような「積極的な賛同意見」までもが出たわけです。そのために、私自身としましては、更に自信を深めるとともに、より詳しい「応用分析」の必要性を感じた次第です。ただし、「これから、どのようなことが起こるのか?」につきましては、短期的に、「消費増税の、再度の先送りが、大きな意味を持っているのではないか?」とも考えている次第です。
つまり、今後は、「市場経済」から「共同体」へと、徐々に、移行するものと考えていますが、この「歴史的な大転換」を象徴する出来事が、「国債価格の暴落」、すなわち、「金利の急騰」だと考えているわけです。しかも、今回は、「日本の、再度の消費増税先送り」が、後から振り返った時に、「世界的な国債価格暴落の直接の契機だった」と言われる可能性もあるようですが、実際に、現在では、「世界的な国債の買い支え」が、「限界点」に達しつつある段階とも想定されるわけです。
それでは、「オバマ大統領の演説」につきまして、部分的に抜粋しながら説明させていただきますが、このときの注意点は、「新聞各社により、日本語訳に違いがある」ということでもあるようです。つまり、「微妙な日本語訳の違いが、重大な解釈の違いを引き起こしている可能性」のことですが、基本的には、「オバマ大統領が、いったい、何を主張したかったのか?」を重視しながら、「私の基礎理論と照らし合わせて考えてみたい」と思う次第です。
『広島だけが特別なのではありません。暴力的な争いは古くから行われています。石や槍などが扱われました。これはただ狩りをするためだけではなく、人間同士の争いにもこのような武器が使われてきました。どの大陸においても、どの歴史においても、あらゆる文明は争いの歴史に満ちています。富をもとめ、また民族や宗教的な理由からもこうした争いが起こってきました。帝国が台頭し、また衰退しました。』
最初に、この文章から説明させていただきますが、この時に感じたことは、「あらゆる文明」という言葉が使われ、また、「富を求めた争い」と「民族、宗教的な争い」が指摘されていた点でした。つまり、「西洋人」は、基本的に、「ギボン」の「ローマ帝国衰亡史」や「シュペングラー」の「西洋の没落」、あるいは、「トインビー」の「歴史の研究」などが、思想の根底に存在するようにも感じましたが、同時に、「この理解が、現在の日本人に不足しているのではないか?」とも思われたわけです。