ストックマーケットレポート・サンプル 2016.7.20号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

「7月2日」に発生しました「バングラディッシュのテロ事件」につきましては、報道のとおりに、「日本人が7名も殺害された」という「あまりにも悲惨な、そして、理不尽な事件」でもありました。つまり、「バングラディッシュの発展に貢献しようとした人々が、イスラム国に賛同するバングラディッシュ人によって殺害された」という状況であり、実際のところ、「やりきれない思い」を抱かざるを得ないわけですが、一方で、「なぜ、このような事件が起きたのか?」を考えますと、「根底には、より深い意味合いが存在するのではないか?」とも感じた次第です。

つまり、「IS(通称:イスラム国)という組織が、どのような経緯で成立したのか?」を考えますと、実際のところは、ひとえに、「2003年3月20日」に始まった「イラク戦争」が原因だったものと思われるわけです。具体的には、ご存知のとおりに、「アメリカ」を中心にして、「イギリス」や「オーストラリア」などの有志連合軍が、「イラクの武装解除」、すなわち、「核兵器や化学兵器の撤去」を目的に、「イラクに侵攻した戦争」のことです。

しかし、実際には、「核兵器が存在しなかった」という状況でありながら、「イラク」は、実質的に崩壊し、その後、「イラク」や「シリア」の国内で、いわゆる「イスラム国」が勢力を増していったことも理解できるわけです。そのために、「2014年」から、「アメリカなどの国々」が、「イスラム国」に対して、空爆攻撃を始めたわけですが、その結果として発生したことが、「シリア難民の国外脱出」であり、主に、「ヨーロッパの国々」へ、大量の人々が押し寄せたことも理解できるわけです。

そして、このことが、今回の「イギリスのEU離脱」に関する「原因の一つ」でもあったようですが、現在では、「イギリスのブレア前首相が、イラク攻撃の是非を巡って、調査されている状況」でもあるわけです。つまり、「ブーメラン効果」という言葉のとおりに、「過去の行いが、現在では、反対に、自分の身に降りかかっている状況」でもあるようですが、このような「テロ事件」で思い出されることは、やはり、「西暦400年前後」に発生した「蛮族の襲撃」でもあるわけです。

つまり、「数百年間もの繁栄を誇った西ローマ帝国」は、最後の段階で、「蛮族の襲撃」に耐えきれず、「歴史上からは、きわめて短期間の内に滅んだ」という状況のことです。そして、この展開が、現在と、よく似ているようにも感じていますが、一方で、「蛮族の襲撃」があったとしても、「内部の力が強ければ、西ローマ帝国は滅亡しなかったのではないか?」とも考えられるわけです。別の言葉では、「崩壊までの数百年間」にも、さまざまな混乱や襲撃があったものと想定されますが、その時には、「強大な軍事力で、簡単に敵を打ち負かすことができた」ものと思われるわけです。