ストックマーケットレポート・サンプル 2016.7.30号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

この10日間にも、実に、いろいろな事件が起きました。そして、「全ての出来事に、大きな意味が含まれている」とも感じていますが、今回、私自身が注目したのは、次の三つの事件でした。

① :中国の南沙諸島に対する裁定

② :天皇陛下の生前退位

③ :トルコ軍での反乱事件

そして、最初の「南沙諸島に対する裁定」につきましては、次のように報道されていますが、ご存知のとおりに、「中国」としましては、全く「裁定」に応じる態度を見せていない状況でもあるわけです。

『7月12日、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は、中国が南シナ海のほぼ全域で領有権を主張する独自に設定した境界線「九段線」には、国際法上「歴史的権利を主張する法的根拠はない」と認定する裁定をした。また、中国が南沙諸島などで人工島の造成などをしている岩礁はすべて「島」ではなく、「岩」または満潮時に水没する「低潮高地」であると認定する裁定も下した。』(出典:ロイター)

つまり、中国としましては、今後も、領土権を主張し続ける意向のようですが、この時の問題点は、「なぜ、中国が、これほどまでの強硬な態度に出るのか?」ということでもあるわけです。また、「本当に、中国は、このような態度を維持し続けることが可能なのか?」ということも、今後の、大きな注目点でもありますが、この時に重要なことは、現在の「中華人民共和国」を歴史的に理解することであり、実際には、「政治体制が、どのようになっているのか?」を考えることでもあるようです。

具体的には、現在の「中華人民共和国」が「1949年に誕生した」という事実と、「国家指導者の指導理論や政策などにより、毛沢東時代(1949年 - 1978年)と鄧小平時代以降(1978年 - )の2つの時代に分類することができる」という状況のことです。つまり、現在の「中国」は、いまだに、「共産主義」の政治体制であり、このことが、いろいろな問題を引き起こしているようにも感じられるわけです。別の言葉では、「鄧小平時代」以降は、実質的な「資本主義国家」となったわけですが、この時に発生した、「政治」と「経済」との「体制的な歪み」が、いまだに、多くの問題を引き起こしているようにも感じられるわけです。