ストックマーケットレポート・サンプル 2016.7.10号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
「6月23日(日本時間の24日)」の「イギリスのEU離脱騒動」につきましては、ご存知のとおりに、「大きな衝撃」を、世界の金融市場に与えることとなりました。そして、これからも、「この事件がきっかけとなり、さらなる金融大混乱が発生する状況」が想定されますが、やはり、この時の注意点は、「これから、どのようなことが起こるのか?」を、正確に理解することでもあるようです。具体的には、「なぜ、今回、イギリスがEUから離脱したのか?」につきまして、「歴史的、かつ、総合的な分析」が必要なようにも感じているわけです。
別の言葉では、「市場経済」や「お金の仕組み」を、根本から考えることでもありますが、現時点での「私の感想」としましては、今回の事件は、「イギリス国民の『堪忍袋の緒』が切れた可能性」が、理由の一つだったようにも思われるわけです。つまり、「EU(欧州連合)に対する不満」が積もり重なった結果として、今回のような結果となったようにも思われますが、実際のところ、今回のような大事件が発生するためには、「長い歴史」が必要であり、また、今回は、「歴史の大転換」を象徴する事件だったようにも感じられるわけです。
特に、「シティ」と呼ばれる「イギリスの金融街」が、「過去数十年間に、どのようなことを行ってきたのか?」を考えますと、やはり、「デリバティブ(金融派生商品)」に関する理解が必要不可欠なようにも思われるわけです。そして、この点につきましては、以前から申し上げていますように、「イギリスが、世界最大の残高保有国」でもありますが、実際には、今まで、「イギリス」は「EU」には加盟していたものの、「統合通貨」である「ユーロ」には加盟していなかったことも理解できるわけです。
つまり、「ユーロ」に加盟すると、何らかの不都合があったようにも感じていますが、この点につきましては、今後、実情が、はっきりと暴露されるように思われる次第です。別の言葉では、今回の事件が、「世界的な国債バブル」に関して、「内部から穴を開けた可能性」のことですが、この点につきましては、約2か月後の「8月21日前後」までに、答えが出るようにも考えているわけです。具体的には、「1997年の信用大収縮」や、「2008年のリーマンショック」などと同様に、本当の大事件が始まる「約2か月前」の「兆候的な事件」だった可能性のことです。
このように、今回の「BREXIT(イギリスのEU離脱)」につきましては、確かに「大きな出来事」ではあったものの、基本的には、「前兆的な事件」にすぎないようにも感じていますが、この理由としましては、ご存知のとおりに、「離脱までには、約2年の期間が必要である」という点が挙げられるからです。また、次の「BISの年次報告書」で述べられているように、「現状に対する理解」が、「金融の専門家」と「マスコミの報道」とで、大きく食い違っている点も指摘できますが、このことも、今回の「BREXIT」を理解するうえで、重要なポイントのようにも思われるわけです。