ストックマーケットレポート・サンプル 2016.8.30号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
最近、「日本の金融界」では、今までに見られなかった「内部分裂」が発生しているようですが、具体的には、「財務省」、「日銀」、そして、「金融庁」の内部で、大きな意見の違いが出ている可能性のことになります。つまり、現在の「マイナス金利」、そして「異次元の金融緩和」に対して、「このままでは、日本全体がおかしくなる」、より具体的には、「日本の国家財政が破たんする」と考えている人が存在するようですので、今回は、この点につきまして説明させていただきたいと思います。
別の言葉では、「日本金融界の護送船団方式」に関して、「崩壊」が始まっている可能性のことですが、この「護送船団方式」というのは、本来、「軍事戦術の一つ」であり、実際には、「船団の中で、最も速度の遅い船に合わせて、全体が騰勢を確保しつつ進んでいく方法」というものになります。つまり、「戦後の日本経済」が、「世界」に追いつくためには、どうしても、「金融の力」が必要であり、この時に、「財務省」などが中心となり、「日本の金融界」で、この方法が採用されたわけです。
また、「金融界の護送船団方式」につきまして、ウィキペディアでは、次のように説明されています。
『護送船団方式は、金融機関の経営陣にとって、何をするにも行政官庁に「お伺い」を立てないと進まないという、経営の自由を制約される代わりに、責任追及から逃れられるために好都合なシステムであった。弱者にとっては庇護を求めるうえで好都合であったほか、強者においても経営の自由度はかなり制約されるものの、他の参入を許さないことによって、結果的に外敵の参入を許さないなどのメリットもあった。また、行政官庁においても金融機関に対して許認可権を盾に強力な指導力を発揮し、いわゆる天下り先の確保などのメリットがあった。一方、行政官庁の意向を過度に忖度(そんたく)するばかりか、官民癒着を生み、金融機関の経営姿勢においても横並び体質がはびこり、顧客に目を向けた金融サービスが行いにくいなどの弊害も指摘された。(出典:ウィキペディア)』
このように、「金融界の護送船団方式」は、「戦後日本の経済成長」を達成するうえで、たいへん効率的な役割を果たしたことも理解できるわけですが、一方で、最近では、弊害が目立つようになったようにも感じられるわけです。つまり、「1980年代のバブル」を境にして、「それまでは、護送船団方式が、有効に働いた」という状況でありながら、反対に、「バブルの発生とその崩壊以降は、この方式が、日本全体の力を弱める方向性に働いたのではないか?」とも思われるわけです。
そして、現在では、前述のとおりに、「護送船団の内部」で「分裂状態」が発生しているようにも思われますが、実際には、「財務省」や「日銀」、そして、「金融庁」や「民間金融機関」の思惑に関して、きわめて複雑な力が働き始めているようにも感じられるわけです。具体的には、「黒田日銀総裁」が推進した「異次元の金融緩和」、そして、現在の「マイナス金利」に関して、「賛成する勢力」と「反対する勢力」が、「マスコミ」を巻き込んで、いろいろと動き出してきた可能性のことです。