ストックマーケットレポート・サンプル 2016.9.10号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

今回は、「8月19日」の「グリーンスパン元FRB議長のコメント」、そして、「8月26日」の「イエレンFRB議長の演説」を紹介させていただくことにより、「米国金融政策の実情」、そして、「これから、どのようなことが起こるのか?」を考えてみたいと思います。特に、「イエレン議長の演説」につきましては、「過去、現在、未来の米国金融政策一覧」と題されているように、今までとは違い、「ホンネ」が、半分程度、述べられているようにも感じられたわけです。

つまり、今までは、「過去数年間、FRBの金融政策は、たいへん素晴らしいものだった」と述べながら、「重要な点は、雇用の確保とインフレ率の安定である」というようなコメントをされていたわけです。別の言葉では、「仮面を被って、決して、ホンネを述べない」、あるいは、「実体経済だけを述べて、マネー経済には、ほとんど触れない」というような状況でしたが、今回は、この点に、大きな変化が出るとともに、「過去数年間の実情」を詳しく説明し始めたわけです。

しかも、「2007年後半から、現在の金融政策が始まった」とも述べられていますので、このことは、私の想定どおりに、「この時に、デリバティブの大膨張が止まり、その後、本格的な金融混乱が始まった」という状況でもあったようです。そして、「これから、どのようなことが起こるのか?」につきましても、ある程度、言及されていますが、前述のとおりに、「半分程度しか、ホンネを語ることができなかったのではないか?」とも感じていますので、この点につきましても、詳しく説明させていただきたいと思います。

それでは、最初に、「グリーンスパン氏のコメント」を紹介させていただきますが、内容につきましては、「90歳という高齢」のためか、「特に目新しいものはなかった」というのが、実際の感想でもありました。ただし、「金利が、近く上昇を始めるだろう」という点につきましては、「さすがに、現在でも、聡明な頭脳を維持されているのではないか?」とも感じさせられましたが、問題は、「1970年代」に使われ始めた「スタグフレーション」という言葉であり、このことは、「グリースパン氏が、いまだに、過去の亡霊に悩まされている可能性」を表しているようにも思われた次第です。

『グリーンスパン元米連邦準備制度理事会(FRB)議長は金利が近く、恐らく急速に上昇し始めるだろうと予想した。グリーンスパン氏はブルームバーグ・ラジオとのインタビューで、「こうした金利水準をずっと長く維持できるとは考えられない」と述べた。「金利は上昇し始めるはずで、そうなった場合は、その速さでわれわれを驚かす可能性がある」と付け加えた。グリーンスパン氏は米経済が低い経済成長と高いインフレ率を伴うスタグフレーションの局面に向かっているとする懸念をあらためて表明。単位労働コストが上がり始め、マネーサプライの伸びが加速し始める中、「その非常に初期の段階に至ったことが明確になりつつある」と指摘した。同氏はまた、ユーロ圏が現在の形で存続する可能性について悲観的な見方を示し、「崩壊するだろう、まさにさまざまな分野でその兆候が表れつつある」と続けた。』(出典:ブルムバーグ)