ストックマーケットレポート・サンプル 2016.10.20号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

今回は、今までの推移を振り返りながら、「今後、どのような展開が予想されるのか?」を、より具体的に考えてみたいと思いますが、この点に関しまして、現在、世界的な「驚き」をもって受け止められているのが、「10月4日」からの「貴金属の売り叩き」でもあったようです。つまり、現在では、多くの投資家が、「日米欧の金融政策」を正確に理解するとともに、今後の「インフレ」を予想し始めていた状況だったようですが、この時に、突如として発生したのが、「金価格が、1300ドルの壁を大きく割り込んだ」という「急落相場」でもあったわけです。

ロンドン金価格(週足)

(出典:ゴールデンチャート)

具体的には、上記のチャートのとおりに、「金(ゴールド)価格」が「短期的な急落」を見せたわけですが、この点につきまして、「海外の投資家」は、即座に、「急落の原因」に関する、いろいろなコメントを出しています。つまり、「今までと同様の金の売り叩きが、中国の国慶節に実施された可能性」、また、「金利が上昇し始めたために、金(ゴールド)を売るプログラム売買が作動した可能性」、あるいは、「空売りをしている業者を救うために、強引に価格を下げた可能性」などですが、この中で特に興味深かったのが、「かつて、ジョージ・ソロス氏と一緒に働いていた」と紹介されている「ビクター・スペランデオ氏」のコメントでもありました。

より詳しく申し上げますと、「ジョン・エクスター氏」という、「元FRBの理事会メンバー」だった人の言葉を引用しながら、「今回が、最後の売り叩きではないか?」、しかも、「今回の売り叩きには、政府の焦りが見えるとともに、結果として、政府の信用失墜に繋がったのではないか?」ともコメントしているわけです。そして、その理由としましては、「通貨の本質」が理解され始めている状況下で、「国債価格の暴落懸念」を指摘していますが、この「タイミング」につきましては、「11月の米国大統領選挙」と「12月に予定されている利上げ」の前後を想定しているようです。

また、私自身も、「米国の国債」に関して、「すでに、価格の下落が始まっているのではないか?」、そして、「間もなく、本格的な暴落に繋がるのではないか?」とも考えていますが、この点につきましては、以前に申し上げましたとおりに、「一国で、国債価格の暴落が始まると、即座に、他国の国債市場、あるいは、債券市場に伝播する状況」が想定されるわけです。別の言葉では、「12月の利上げ」が予定されている「米国の国債市場」が、現時点では、次のグラフのとおりに、「チャート的には、最も危機的な状況ではないか?」とも考えているわけです。