ストックマーケットレポート・サンプル 2016.9.30号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

今回は、「9月15日」の「金融庁」による「平成27事務年度金融レポート」、そして、「9月21日」に発表されました「日米金融政策会合の結果」について説明させていただきながら、「これから、どのようなことが起こるのか?」を考えてみたいと思います。具体的には、すでに始まったと思われる「不動産バブル」の実情に加えまして、「主体別の資金繰り」を検証することですが、実際には、「日銀」や「国家」、そして、「金融機関」や「企業、個人」などが、「今後の金融大混乱に際して、資金面で、どのような状態になるのか?」を、前もって考えることになります。

それでは、最初に、「金融庁のレポート」から説明させていただきますが、初めに述べられていることは、「世界経済と金融市場の動向」であり、具体的には、「世界的なデフレ圧力が存在するものの、金融緩和の継続、そして、利回り追求(イールド・ハンティング)により、リスク性資産の価格上昇が世界的に見られる」というものです。つまり、次のグラフのとおりに、「先進国の政策金利と消費者物価指数が、過去40年間に、どのような動きとなったのか?」が説明されるとともに、最近では、「新興国の高金利債券に資金が流れ、結果として、金利が低下した状況となっている」とも説明されているわけです。

また、次の論点は、「日本の金融システムに対する評価とリスク」というものであり、この時に、以前から申し上げています「短期で調達し、中長期の貸し出しや運用を行うリスク」が述べられているわけです。つまり、「短期資金を借りて、中長期の資産に投資すると、金利が上昇した時に莫大な損失が発生する可能性」のことですが、同時に、「不動産向け貸し出しの増加」についても言及されており、具体的には、次のグラフのとおりに、「金融機関による、不動産業向けの貸し出し」が増えている状況となっているわけです。

そして、次の論点は、「金融仲介機能の現状と健全な金融システムの確保」というものであり、この時に、「国内外の貸し出し利ザヤが低下し、貸出規模の拡大による収益確保が困難になっている」、また、「国債等からの収益確保が難しい状況である」とも述べられているわけです。つまり、「マイナス金利の国債購入は損失に繋がる」という点を強調したかったようですが、このことも、以前に申し上げました「護送船団方式の内部分裂状態」を表している状況とも言えるようです。