ストックマーケットレポート・サンプル 2016.12.20号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

早いもので、今年も残り僅かとなってしまいました。そのために、今回は、「2016年が、いったい、どのような年だったのか?」を振り返ってみたいと思いますが、この時に、「決して見逃してはいけない出来事」が、世界的な「マイナス金利のピークアウト(頂点)」だったようにも感じています。具体的には、「日本」を中心にして、「歴史上初のマイナス金利が、2016の半ばにピークを付け、その後、逆回転が始まった」という事実のことですが、この理由としましては、いわゆる「量的緩和(QE)」が、世界的な限界点に達した状況が指摘できるようです。

そのために、現時点で必要なことは、「どのような形で、ピークアウトが発生したのか?」、また、「過去数年間に、どのような変化が発生したのか?」を、徹底的に検証することだと考えているわけです。つまり、「投資」に関する「基本的な態度」としまして、「過去の経緯を正確に把握しなければ、将来の予想が不可能ではないか?」とも考えていますが、この観点からは、「2016年の前半と後半とで、様変わりの状態となった状況」を検証することにより、「2017年の相場」が、はっきり見えてくるようにも考えている次第です。

具体的には、今まで、大量、かつ、頻繁に実施されてきた「プログラム売買」を、より深く検証することですが、実際には、「2016年の上半期」におきまして、きわめて異常な事態が発生した状況のようにも思われるわけです。別の言葉では、「日銀」を中心として、「断末魔の叫び」とでも呼ぶべき状況だったようにも感じていますが、具体的には、上記のチャートのとおりに、「国債を、大量に買い付けた結果として、日本株や円レートに関して、大きな歪みが発生した可能性」のことです。

つまり、典型的な、しかも、歴史的な「バブル」が「日本国債」で発生したために、「日本株」や「円ドルレート」に、一時的な「逆行現象」が発生したものと考えていますが、具体的には、次のチャートのとおりに、「2016年の年初から半ばにかけて、約120円から100円割れにまで、円高が進行した状況」のことになります。別の言葉では、「力任せの価格コントロール」が発生したものと考えていますが、実際には、「水中のビーチボール」のように、「強引に、円高へ押し下げる力が働いた可能性」とも想定されるわけです。