ストックマーケットレポート・サンプル 2017.1.10号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
謹賀新年
本年も、よろしくお願い申し上げます
1:ファンダメンタル
「2017年」は、激動の年となりそうですが、この時、最も注目すべき点は、やはり、「世界の金利が、どこまで上昇するのか?」、そして、「金利上昇時に、どのような変化が発生するのか?」ということでもあるようです。つまり、「日本の国家財政」や「日銀の資金繰り」に関して、「どのような問題が発生するのか?」が、たいへん気にかかるわけですが、この点につきましては、実際のところ、「日本」だけではなく、「世界全体の金融システム」に関わる大問題とも想定されるわけです。
具体的には、「12月22日」に発表されました、上記の「平成29年度の一般会計歳出・歳入」からも明らかなように、「日本の国家財政」につきましては、「実質上、破たん状態に陥っているのではないか?」とも考えられるわけです。つまり、「日銀による、国債の大量買い付け」が継続しているために、いまだに、問題が発覚していない状況のようにも思われますが、一方で、上記のグラフを丁寧に分析しますと、実に危機的な状態に陥っているようにも感じられるわけです。
より詳しく申し上げますと、「歳入」に関しましては、「約97兆円」の総額のうち、「約34兆円」が「国債の発行」で賄われており、また、「歳出」につきましては、全体の「約4分の1」である「約23兆円」が、「国債費」という「債務償還費」や「利払費」などに使われていることが理解できるわけです。そして、今後は、「若干の金利上昇」が発生しただけで、「利払費」が急増し、また、「国債価格の暴落」が予想されるわけですが、この時には、「国債の発行」が難しくなるだけではなく、ほぼ瞬間的に、「国家財政の破綻」という運命が待ち受けているものと思われるわけです。
つまり、「1991年のソ連」のように、「国債の買い手」がいなくなると、「中央銀行が、大々的に、紙幣の増刷を実施する状況」が予想されるわけですが、現在は、この段階に近付いている状況とも想定されるわけです。また、この点につきましては、10年以上も前から指摘されていたことですが、今までは、「日本の国家財政が破たんするはずがない」、あるいは、「異次元の金融緩和などにより、日本の国家財政が改善する」というような「誤った考え」に支配されていたようにも思われるわけです。