ストックマーケットレポート・サンプル 2016.12.30号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:2016年を振り返って
「2016年」は、世界の「金融史」におきまして「歴史に残る年」となったようですが、この理由としましては、今まで「約35年間」も継続した「先進各国の国債価格上昇(金利は低下)」が「大天井」を形成した年だったと思われるからです。具体的には、「日本国債」に関して、次のとおりに、「三尊天井」、あるいは、「ヘッドアンドショールダー(両肩と頭)」と呼ばれる、典型的な「大天井」を表すチャートが「約1年」という長期間で形成され、このことが、「世界全体の相場」を象徴しているものと思われるわけです。
また、「世界の金利」につきましては、次の「米国10年国債金利」に代表されるものと考えていますが、実際には、前述のとおりに、「約35年間」も低下を続け、現在では、「歴史的な大転換」を終えたものと想定されるわけです。別の言葉では、「人類史上」におきまして、最大規模の「バブル崩壊」が発生しているものと考えていますが、この点を理解するためには、やはり、「なぜ、これ程までの長期間、金利が低下したのか?」についての深い理解が必要なようにも思われるわけです。
つまり、「金利」は、「お金の値段」であり、基本的には、「お金(マネー)の総量」が増えると、「金利が低下する」という傾向が見られるわけです。別の言葉では、「1971年のニクソンショック」以降、「世界のマネー」は、「糸の切れた凧」のように大膨張したわけですが、現時点で必要なことは、「この点に関する深い分析」とも考えられるわけです。そして、「お金の性質」が理解できると、「今後の展開も、はっきり見えてくるのではないか?」とも感じていますが、この時に、最も重要な点が、「1980年代初頭」から始まった「デリバティブ(金融派生商品)の大膨張」とも考えられるわけです。
より詳しく申し上げますと、「1971年のニクソンショック」以降、「約10年」に亘り、「金融混乱の時期」が継続したわけですが、この理由としましては、「人類史上初めて、世界的規模で、通貨と実物資産との関係が切り離された」という点が挙げられるわけです。つまり、「通貨価値」に対する不安感により、「1970年代」には、「金利」と「金(ゴールド)価格」が同時に急騰したわけですが、この時は、今回とは違い、「国家財政に関する問題が存在しなかった」という状況でもあったわけです。