ストックマーケットレポート・サンプル 2017.3.10号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
現在の世界情勢につきましては、今までの「歪み」や「膿」などが、至るところで噴出している状況とも言えるようです。具体的には、「トランプ大統領の暴走と迷走」や「金正男氏の暗殺事件」、あるいは、「中東及びヨーロッパの混迷」や「都議会のみならず国会の混乱」、そして、「文科省の天下り問題」や「債務超過に陥った東芝」などのことですが、これらは、結局のところ、「文明法則史学」が指摘する「西洋の時代が終焉し、東洋の時代が始まる状況」を表しているようにも感じている次第です。
別の言葉では、「限界点に達した西洋的な価値観」が、現在の「世界的な混迷」に関する根本的な原因とも思われますが、基本的には、今までに申し上げましたとおりに、「通貨の堕落」がもたらす「崩壊の力」が、世界中で働いている状況とも言えるようです。そのために、現時点で必要なことは、大きな「歴史の流れ」において、「現在が、どの地点に位置しているのか?」を理解しながら、「流れに沿った投資行動を取ること」だと考えている次第です。
つまり、「マスコミの意見」などに惑わされず、「具体的な数字や事実で、現状を把握する」という態度が、今まで以上に求められているようです。また、一方で、現在の「世界的な大混乱」は、「今まで申し上げてきたことが、いよいよ、最終段階に入ったのではないか?」とも感じている次第です。具体的には、「国債価格の暴落」により、本当の「インフレ(通貨価値の下落)」が姿を現し始める可能性のことですが、実際のところは、いまだに「国債の買い支え」が継続している状況でもあるわけです。
より詳しく申し上げますと、私自身としましては、「2月中にも、国債価格の大暴落が始まるのではないか?」と想定していましたが、実際には、次のグラフのとおりに、「いまだに、必死の抵抗が続いている状況」とも考えられるわけです。つまり、「赤線」で示された「移動平均線」の下落を待っている状況のことですが、今後は、「移動平均線」と「実際の価格」が一致する時に、本格的な「価格暴落」が始まる状況のようにも想定されるわけです。
別の言葉では、「時間の問題ではないか?」とも思われますが、現在では、この点に関しまして、たいへん興味深い議論が出始めています。具体的には、「2月27日の日経新聞」で説明されましたように、「日本政府」の政策が、「異次元の金融緩和」から「異次元の財政政策」へ、大きく変化する可能性のことになります。より具体的には、「ノーベル経済学者」である「クリストファー・シムズ氏」が提唱した「物価水準の財政理論(FTPL)」が、現在、再評価されていますが、このことは、「物価変動は財政政策による現象である」という考え方のことになります。