ストックマーケットレポート・サンプル 2017.3.30号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

「3月15日と16日」の「イベント」につきましては、結果として、表面上、何事もなかったような状況となりました。具体的には、「オランダの選挙」は「与党の勝利」、また、「日本の金融政策決定会合」は、「政策に変更なし」という状況でもありました。そして、「アメリカの金利」は、予定通りに「三回目の利上げ」が行われたものの、私の想定する「国債価格の暴落」が始まっておらず、また、「アメリカの債務上限問題」につきましても、ほとんど報道がなされていない状況でもあるわけです。

米国の30年国債価格(日足)

より具体的に申し上げますと、「利上げの発表」とともに、上記の「米国30年国債」に代表されますように、「国債価格の上昇(金利は低下)」が先進各国で発生しましたが、実際には、今までと同様の「FOMC直後のプログラム売買」でもあったようです。つまり、「報道直後の混乱」、すなわち、「利上げによる国債価格の下落」を避けるために、強引に、「国債の買い支え」が実施されたものと思われますが、このような動きにつきましては、通常は「2、3日」、あるいは、長くても「一週間」程度の効果しかなく、その後は、買い支えの反動が訪れることも想定されるわけです。

そのために、今回も、決して、目先の価格変動に惑わされないようにしていただきたいと思いますが、この点に関しまして、最も注目すべき点は、前述の「米国の債務上限問題」とも言えるようです。つまり、「3月8日」の「ムニューシン財務長官による、米国議会への書簡」を見ますと、今後、「債務上限問題」が再燃する可能性が存在するとともに、実際には、きわめて厄介な状態となっていますので、今回は、この点につきまして、詳しく説明させていただきたいと思います。

具体的には、「2015年10月」に制定された「超党派予算法( Bipartisan Budget Act of 2015)」により、「2017年3月15日まで、米国の債務上限が棚上げされた」という状況でもありました。そして、この時の問題点は、「2015年10月から、2017年3月15日」まで、「米国の債務総額が、約1.8兆ドル(約200兆円)も増えた」という状況でありながら、「実際に、どのような方法が使われたのか?」が、きわめて曖昧な状態でもあるわけです。