ストックマーケットレポート・サンプル 2017.4.10号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

現在の国会では、「働き方改革」が審議されていますが、このことは、きわめて「複雑」で「奥の深い問題」だと考えています。つまり、現在の「政府の実行計画」のように、「国家が主導して、残業上限や同一賃金などを決める方法では、決して、機能しないのではないか?」とも思われますが、その理由としましては、かつての「社会主義国」や「共産主義国」における失敗例が思い出されるからです。別の言葉では、今回も、「国家主導の計画経済」の雰囲気が漂っているようにも感じられますが、「過去の歴史」を分析する限り、「この方法で成功した例は、ほとんど存在しなかったのではないか?」とも考えられるわけです。

そのために、この問題を理解し、解決するためには、「経済学」の語源である「経世済民」に関して、根源的な観点から議論する必要性があるものと考えていますが、ちなみに、「ウィキペディア」では、次のような説明がなされています。そして、このことは、私自身としましても、未解決の「心の謎」を解明するうえで「決して、避けて通れない問題である」とも考えていますので、今回は、現時点での「私自身の理解」を説明させていただきたいと思います。

經世濟民(けいせいさいみん、経世済民)は、中国の古典に登場する語で、文字通りには、「世を經(おさ)め、民を濟(すく)う」の意。略して「經濟」(経済)とも言うが、主として英語の「Economy」の訳語として使われている今日の「経済」とは異なり、本来はより広く政治・統治・行政全般を指示する語であった。(出典:ウィキペディア)

別の言葉では、我々が「1999年」から始めた「ポスト資本主義研究会」におきましても、同様の論点が盛んに議論されましたが、実際には、きわめて難しい問題であり、結果としては、いまだに議論中の状態でもあるわけです。つまり、この問題を理解するためには、「人々の価値観が、どのように変化してきたのか?」、あるいは、「人々は、どのような状態に満足し、また、悩み苦しむのか?」という点などを、丁寧に分析する必要性があるものと思われるわけです。

しかし、現時点では、この点に関して、最も重要な問題である「お金とは、一体、何なのか?」さえもが、いまだに解明されていない状況でもあるわけです。より具体的には、「人類の歴史は、『お金』と『神』とに支配される時代」に分類されるものと考えていますが、現在は、今までに詳しく申し上げてきましたように、「お金が神様となった時代」とも想定されるわけです。つまり、「お金に支配された時代」、あるいは、「お金が最も大切だと認識する人が増えた時代」のことですが、実際には、「このような社会が形成されるためには、きわめて長い時間が必要だった」とも言えるわけです。