ストックマーケットレポート・サンプル 2017.6.10号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

この10日間にも、色々な事件が発生しましたが、特筆すべきは、やはり、「5月27日」に閉幕した「G7」であり、その理由としましては、「トランプ大統領が、世界の自由貿易などに対して、結束に亀裂を生じさせるような極端な意見を述べた」という点が指摘できるようです。また、「日本国内」におきましては、「加計学園問題」について、「文部省の前事務次官が、前代未聞とも言える発言をした」という状況でもありますので、これらのことは、「内部分裂」や「対立」を意味するとともに、「7月の半ば」にも予想される「崩壊に関する事件」の「兆候の表れ」とも言えるようです。

つまり、以前に申し上げましたとおりに、「既存のシステムや体制」が崩壊する前には、必ず、「内部分裂」が生じるものと考えていますが、現在では、「この点におきまして、きわめて危機的な段階にまで到達した状況」のようにも思われるわけです。そのために、今回は、「5月24日」に、「日本銀行金融研究所」が主催した「国際コンファランス」での「バーナンキ前FRB議長」の講演について、できるだけ詳しく説明させていただきながら、「過去20年間に、世界の金融界で、どのようなことが起こったのか?」を振り返ってみたいと思います。

また、この演説につきましては、「英文で21ページ」という、たいへん長い文章になりますので、重要なポイントだけを抜粋しながら、説明を加えさせていただきますが、基本的には、「一般人となったバーナンキ氏が、日銀の招きにより講演を行った」という状況を理解していただきたいと思います。つまり、「ホンネ」と「タテマエ」とが入り混じっている可能性もありますので、この点を考慮しながら、「慎重」、かつ、「丁寧」に解説させていただきたいと思います。

今回は、「金融政策」につきまして、「今まで何を学び、また、これから、どのようなチャレンジが待っているのか?」を説明させていただきます。具体的には、今まで、「日銀」が先導役となって行ってきた、「金融政策」における「革新」と「実験」につきまして、「我々は、何を学び、また、何を理解すべきなのか?」を考えることです。私自身は、「1992年」以来、「日本の金融政策」について、色々と考え、論文を発表してきました。そして、ほとんどの論文が、「日本」が始めた、きわめて特殊な「金融政策への挑戦」、つまり、「デフレや短期金利の下限に達した時に、どのような政策を実行したのか?」に刺激を受けたものでもありました。(出典:日銀、バーナンキ氏)

「バーナンキ氏の演説」は、このような内容から始まりましたが、この点につきましては、若干、解説が必要だと感じています。つまり、「1997年の信用収縮」から始まった「世界的な非伝統的金融政策」につきましては、「ほとんど全てが、日本発だった」という事実のことですが、実際には、現時点でも、この点が理解されていないようにも感じられるわけです。しかし、今回の演説では、この点が、明確に説明されていますので、この点も考慮しながら、「過去20年間に、実際に、どのような金融政策が実施されたのか?」を見ていきたいと思います。