ストックマーケットレポート・サンプル 2017.8.30号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
この10日間は、いわゆる「米朝のチキンレース」で、世界中が大騒ぎの状態となっています。具体的には、マスコミの報道のとおりに、「北朝鮮が、米国領土のグァム島に向けて、4発のミサイルを発射する」とコメントし、一方で、「米国のトランプ大統領が、厳しい言葉で反論した状況」のことですが、ご存知のとおりに、その後は、一転して、「対話路線への変更」も報道されているために、現時点では、より一層、訳が分からない状態となっているようです。
そのために、今回は、論点を整理しながら、現時点での「世界の実情」を考えてみたいと思いますが、このような「混迷の時」に必要なことは、やはり、「安岡正篤先生」が強調する、次の「思考の三原則」とも言えるようです。
第一は、目先に捉われないで、出来るだけ長い目で見ること。
第二は、物事の一面に捉われないで、出来るだけ多面的に、出来れば全面的に見ること。
第三に、何事によらず枝葉末節に捉われず、根本的に考える。
(出典:安岡正篤 一日一語)
つまり、現在の「北朝鮮問題」につきましても、根底には、「世界的な金融大戦争」が、主要な要因として存在するものと考えられるわけです。そのために、現時点で必要なことは、「世界の実情」を正確に捉えながら、「今後の展開」を予想することだと考えていますが、現在では、「金融混乱」の進展などにより、「金融大戦争の実情」が「以前よりも、はっきり見えてきた状況」、すなわち、「金融大戦争の終結が近付いてきた段階」とも言えるようです。
具体的には、「国債を守る陣営」と「金を信用する陣営」との「せめぎ合い」が激化してきたようですが、この点につきましては、以前から申し上げていますように、「2007年」から「2008年」にかけて発生した「世界的な金融危機(GFC)」が、きわめて重要な「分岐点」だったものと思われるわけです。つまり、「国債を守る陣営」は、この時まで、「デリバティブの大膨張」の恩恵を受けていたために、「国家の財政問題」などを無視し続けることができたものと思われるわけです。