ストックマーケットレポート・サンプル 2017.10.20号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

この10日間は、ご存知のとおりに、「衆議院の総選挙」で、日本全体が大騒ぎの状態となっています。具体的には、「希望の党」が結成された直後に「民進党」が分裂し、また、「立憲民主党」が設立されたというように、きわめて短期間の内に、大きな変動や混乱が発生していることも見て取れるわけです。つまり、以前から申し上げています「世界の膿出し」に関しまして、いよいよ、「最終段階」に入り、「2018年の1月」までに、「予想もしなかったほどの激変に見舞われている可能性」も存在するようですので、今回は、これらの点に関しまして、論点整理をさせていただきます。

別の言葉では、「目まぐるしい変化」、あるいは、「変化のスピードが加速している状況」に惑わされ、現在、多くの人が「訳が分からない状態」に陥っているようにも感じられるわけです。そのために、現時点で必要なことは、「思考の三原則」である「長期的、多面的、かつ、根本的な観点」から「現在」を振り返る態度とも言えるようですので、最初に、現在の「政治や政治家」につきまして、「なぜ、これ程までの混乱が発生しているのか?」を考えてみたいと思います。つまり、現在の「政治家」は、実際のところ、「政治屋」になり下がった状況のようにも感じられるわけです。

より詳しく申し上げますと、「選挙に落ちればただの人」と言われるように、現在の「政治家」につきましては、基本的に、「国民の税金」が、主な「収入源」になっていることも理解できるわけです。また、「官僚」につきましても、同様に、「国民の税金」から「自分たちの給料」が支払われているわけですが、現在では、「国家と地方の借金が、合計で約1200兆円」というように、「将来の税金」を当てにして、「未曽有の規模で、国家が借金をしている状況」でもあるわけです。

つまり、これまでの「政官業の癒着」などにより、「通常の方法」では「返済不能な金額」にまで「国家や地方の債務」が膨らんだわけですが、この点につきましては、「政治」と「経済」との関係が、大きな意味を持つものと考えています。具体的には、「政治が上部構造」、また、「経済が下部構造」と言われる状況のことですが、この点につきましては、「戦後の日本」を振り返れば明らかなように、「下部構造の経済」が健全な時には、「上部構造の政治」も安定性を保ってきた状況でもありました。

別の言葉では、「戦後の高度経済成長」の時には、「下部構造」が成長し、その後、徐々に、「上部構造」が膨らんでいったわけですが、「1980年代のバブル発生と、その後の崩壊」を境にして、「上部構造の政治家や官僚の力」が、きわめて強くなったものと思われるわけです。つまり、このことが、「約500兆円のGDP」に対して「約1200兆円もの債務」という、大きな「逆転状態」が発生した「理由の一つ」とも考えられますが、現在では、この点に加えまして、「世界全体が、次のグラフのような状態になっている」ことは、今までに詳しく申し上げてきたことになります。