ストックマーケットレポート・サンプル 2017.10.10号
* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。
1:ファンダメンタル
この10日間は、「北朝鮮とトランプ大統領との言い争い」、そして、「日本における衆議院の解散騒動」などで、世界全体が騒然としてきましたが、以前から申し上げていますように、最も重要な点は、「世界的な資金の流れ」、あるいは、「世界の金融情勢」とも考えています。そのために、今回は、この点に関しまして、「9月26日」に行われた「イエレン議長演説」と、「ルービニ教授」が主張する「ニューノーマル(新たな価値基準)」について、詳しく説明させていただきます。
具体的には、「9月24日の日経新聞」に「上がらない物価 世界を覆う謎」という記事が掲載されており、その中で、「ルービニ米ニューヨーク大学教授」の論考が紹介されるともに、「このことが、現在、経済学界の話題になっている」ともコメントされているわけです。そのために、今回は、「9月13日に、ルービニ教授が、どのようなコメントをしたのか?」、また、「イエレン議長と、どのような違いがあるのか?」などを理解しながら、「現在、インフレやデフレに関して、世界全体が、どのような認識を持っているのか?」を考えてみたいと思います。
また、最近、感じることは、「日本のマスコミが、世界情勢を正確に報道していないのではないか?」という点ですが、具体的には、「5月に、日銀で行われた、バーナンキ前FRB議長の演説」、あるいは、いろいろな「イエレン議長の演説」などに関しまして、「報道面での偏向」が起きているようにも思われるわけです。別の言葉では、「マスコミの主張したい部分だけが強調されている可能性」のことですが、その結果として、現在、「日本」と「世界」とで、大きな「認識の違い」が発生している状況のようにも感じられるわけです。
そのために、今回も、丁寧な翻訳と追加説明をさせていただきますが、前述の「ルービニ教授のコメント」につきましては、「学者的な意見」が目立ったようにも感じられました。つまり「バーナンキ前FRB議長」が、以前にコメントされたことは、彼の場合、「学者」と「実際の政策実行者」という「二つの側面」を経験されたということでした。しかし、「ルービニ教授」の場合には、「学者」だけの経験しか存在しないために、「禅の言葉」にある「学得底」という「机上の理論」だけに終始しがちで、「体得底」という「実践から得られた智慧」が少ないようにも感じられたわけです。